2016年 05月 20日
メリケンキアシシギの上尾筒
しばらくこのブログを放置してしまったが、昨日観察した2羽のメリケンキアシシギのうちの1羽にちょっと面白い特徴があったのでとりあえず忘備録として載せておく。メリケンキアシシギの上尾筒は一様な灰褐色か、各羽先端にごく細い羽縁がある程度なのが普通だが、この個体ではもう一段基部寄りにかなり明瞭な淡灰色の横斑があり、キアシシギのパターンに似ている。また体下面の横斑は、メリケンキアシシギとしては少ない方で、下腹あたりに比較的広い白色部がある。しかし全体的な印象はメリケンキアシシギのもので、嘴は基部の黄色が僅かで黒っぽく見え、鼻溝も十分長い。改めて少し北米の画像等を検索してみた範囲では、体下面の斑は個体差の範囲内のようだが、上尾筒については同様の例は今のところ見つからなかった。しかし上尾筒がはっきり見える画像自体が意外に見つからずサンプル数が少なすぎるので、もう少し調べてみる必要がありそうだ。この辺りのバリエーションについてもし何かご存じの方はご一報頂けると嬉しいです。

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上尾筒の横斑に注意。

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鼻溝は長くて嘴基部から2/3付近まであり、メリケンキアシシギの特徴を示す。
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# by Ujimichi | 2016-05-20 21:49 | シギチ

2016年 01月 17日
アイスランドカモメ…ではない
画像は皇居に時折現れるシロカモメ。どうやら最近これがアイスランドカモメと誤認されて情報が回っているようなのでくれぐれもご注意を。関東ではアラスカ産の亜種(barrovianus)と思われる小さめのシロカモメが珍しくないので要注意です。

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シロカモメ Larus hyperboreus

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# by Ujimichi | 2016-01-17 17:43

2015年 10月 13日
11月2日にいよいよ発売予定! 『決定版 日本のカモ識別図鑑』
a0044783_20260069.jpg画像は先週撮影したオナガガモ♂幼鳥。秋も深まって、北国から続々とカモが渡ってきている。父との共著で11月2日にいよいよ発売予定の「決定版 日本のカモ識別図鑑」(誠文堂新光社)は、お陰様で反響が大変大きく、既に発売前から沢山の方がご予約いただいている。

「秋に渡って来たばかりのカモの♂は、エクリプスといって一見♀のような地味な色をしているので、見分けがとても難しい」・・・というような説明は昔から繰り返し当たり前のようにされてきた。しかし当然のことながらそれだけでなく、この時期のカモの群れには沢山の幼鳥が混じっている。しかも幼鳥にも♂♀があるので、実際はさらに複雑だ。

ところがなぜかこの事実はこれまで意外と放ったらかしにされていて、少なくとも一般に向けて秋のカモの説明がなされる際には、エクリプスの話ばかりで幼鳥のよの字も出てこないことも未だに多いようだ。というよりも、できればより正確に幼鳥を含めた説明をしたいという気持ちはあっても、幼鳥の識別を詳しく取り上げた図鑑がないことから、対応に苦慮してこられた指導者の方も多いのではないかと思う。また少し違う角度から言うと、これまでの「エクリプスは難しい」というイメージは、沢山混じっている幼鳥が正しく区別されずに一緒くたにされてきたことが大きな原因とも考えられる。

まさにこの辺りに大きくメスを入れるのが、この「日本のカモ識別図鑑」の大きな狙いの一つで、これまでなかなか詳しく扱われてこなかった幼鳥やエクリプスの識別に関するノウハウが、豊富なイラスト・写真とともに、まさに前代未聞のボリュームでぎっしりと詰め込まれている。例えば最も身近な水面採餌ガモの一つコガモだけでも7ページ、イラスト13点に写真14点という充実ぶり。しかもアメリカコガモはまた別で6ページ。加えてコガモとアメリカコガモの識別には特別にさらに3ページを割いている。この図鑑を片手に幼鳥やエクリプスの識別に挑戦する面白さに目覚めると、ただただ地味で皆同じに見えると敬遠していたこの時期のカモの群れが、一転して宝の山に見えてくるはずだ。

とはいえもちろん、初心者にとっては冬季の色とりどりの生殖羽の美しさの方がまずはとっつきやすいと思うし、難しい識別の話はどうも苦手、という方もいるだろう。そんな方はまずは気楽にイラストや写真をただ眺めて楽しむつもりでこの図鑑を入手して頂いても、もちろん存分に楽しめる充実した内容になってる。そして実は、そうやって力を抜いて目で楽しみながら、わかりやすいものから少しづつ印象に残していくことは、識別の基礎を作る上でも一番自然で無理のない方法だ。そうしていくうちにいずれ興味が湧いてきたら、ぜひ改めて幼鳥やエクリプスの識別にも挑戦してみて頂きたい。もちろん種や状況にもよるが、特に難しいことを考えなくても、一目で「あっこれは幼鳥!」とピンとくるような機会も意外と多くなるはずだ。

なお「決定版 日本のカモ識別図鑑」のFacebookページも公開しているので、こちらもぜひよろしくお願いします。

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# by Ujimichi | 2015-10-13 20:53

2015年 08月 23日
Birder9月号のトウネンの記事について
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ヨーロッパトウネン Calidris minuta

今日は書店に寄って久しぶりにBirder誌を購入。若手鳥見グループによる「Young Gunsの野鳥ラボ」は、これまでも先進的で優れた識別記事を掲載しているので応援している、というか私はほぼこれ目当てで買っているといっていい(笑)のだが、ただ今回9月号のトウネンの記事についてはちょっとアレ?という点がいくつかあった。今やかなり影響力もある連載だし、私もこのブログやツイッタ―でも何度かベタ褒めしてきた(笑)経緯もあるので、少し感想を書いておきたいと思う。

まず結論から簡単に言ってしまうと、掲載写真2,3 と7,8 及び 15,16はヨーロッパトウネン(以下ヨロネン)で良いと思う(父にもどう思うか聞いてみたが同意見だった)。特に7,8は特徴がわかりやすく出ている。記事ではこの7,8をトウネンとした理由に、「顔の模様が不明瞭」なことと、「側胸はバフ色味が乏しい不明瞭なしみ状」であることを挙げているが、ヨロネンの個体差、及び撮影条件による見え方の変化の範囲内としか見えず、体型や模様もヨロネンの特徴を示しているので、これをトウネンとする理由が見当たらない。

次に15,16。 これはYoung Guns内でも意見が分かれているとのことで、確かに写真からは足がそれほど長くないようにも見える。しかし個体差や写り方を考慮すると、これを根拠にトウネンと言えるほどではなく、むしろ足、嘴とも「細さ」は十分出ているように見える。「大・中雨覆の軸斑と羽縁のコントラストは強くない」とも書かれているが、コントラストは十分強いと思うし、模様自体もヨロネンのものだ。

掲載写真では確かに若干紛らわしいのが2,3。特に右側の写真(3)だと足が短く見えることと、尾端が翼端より長く見えるのがトウネンとの判断につながったのは理解できる。ただこの写真に関しては体の羽毛を膨らませているのと同時に体を斜め45度に立て、さらに足先が手前の小石に隠されていて、実際より足が短く見えやすい条件がいくつも重なっている。これに対して左の画像(2)を見ると脛(tibia)の裸出部の長さは十分ヨロネンの範疇に見える。またこの写真では跗蹠の形が明らかに不自然なので、厚く泥を被っていると考えられ、これがなければさらに足は細長い印象に見えるのではないかと思う。

確かに、その下に掲載された4のトウネンも一見足が同じくらい長い?ようにも見えるのだが、これについては白い羽毛がなくて黒く見える「本当の裸出部分」だけの長さを見ると実はそれほど長くないことがわかる(実はこれは私は普段フィールドもでかなり重視している点で、ヨロネンを探す際にも実際かなり有効だ)。また2,3について「中・小雨覆の軸斑がやや淡色で羽軸の位置がわかる」という説明もされているが、これもヨロネンでも個体や状況によって見られる特徴で、例えばShorebirds of the Northern Hemisphereのp.235の70dがそれに当る。また同書のp.234の70aは翼端より尾羽が突出しているヨロネンの例。

全体を通して感じたのは、トウネンの個体差や状況による印象の変化に注意を促そうとする狙いは非常にいいと思うのだが、他方のヨロネンにも当然多々ある個体差や状況による変化への考慮が不足してしまい、そのために少しバランスを欠いた判断・内容になってしまったのかな?というところ。また個々人の経験の順序として、初期にたまたま特にわかりやすいヨロネンにわかりやすい状況で会ってしまうと、その経験が過度に焼き付いてしまい、それ以後に出会った個体をトウネン的に見てしまうということも実際にあると思う。したがって、今一度海外の画像等も活用しながら両種の個体差を極力公平に洗い直した上で、では識別の際に何を重視するか?を改めて整理していけば、この2種の識別はこの記事から受ける印象ほど難しくはなくなるはず、というのが私の感想だ。

私が子供の頃(1980年代)には自宅から小一時間の多摩川河口へ出れば、トウネンは最盛期には数千羽の大群が見られる超普通種で、一方のヨロネンは国内でもやっと見つかり始めたばかりという珍鳥だった。それだけにごく稀にヨロネンを見つけた時の違和感は非常に飛び抜けたものに見えたが、近年ではトウネンの数が激減し、ところがその割には小規模なトウネンの群の中でもヨロネンが比較的よく見つかる状況がある。そんなことからトウネンよりもむしろヨロネンの個体差に振り回されて迷っている方が増えているような印象を受けている(もちろん初心者が何でもないトウネンをヨロネンにしてしまうケースも相変わらず多いのだが…)。この辺りの時代的な変遷も含めて、以上の内容が今後両種の識別を考える上で参考になればと思っている。

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トウネン Calidris ruflicollis
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# by Ujimichi | 2015-08-23 17:55 | シギチ

2015年 08月 19日
コシジロオオソリハシシギ
昨日観察した亜種コシジロオオソリハシシギ。左足に青フラッグ、右足にメタルリングという組み合わせから、ひょっとして5年前に撮った個体と同一?とちょっと気になったのでとりあえず画像を置いておく。ただし青フラッグは破損しているようで、さらにその下にあった白フラッグがないので外れてしまったのだろうか?羽色は♂夏羽と思われるところは同じだが、細部に関しては4月と8月なのでさすがに羽毛の状態が違い過ぎて比較は困難。もう少し継続的に追いかけていればよりはっきりしたことが言えそうだけど。

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# by Ujimichi | 2015-08-19 21:12 | シギチ

2015年 08月 14日
アライソシギ×オバシギ
去年から今年にかけて色々と忙しく、あまりに時間が経ちすぎているので今更という感もあるが、オバシギ×アライソシギについて少し画像と共に書き留めておきたい。

昨年の10月7日のこと、何気なく眺めていたツイッタ―に突如登場したこのシギの画像を一目見た時はさすがに腰を抜かした。日本のシギチの中で何に一番近いか?といえばオバシギではあるのだが、とはいえオバシギの範疇を大きく逸脱し、明らかに何か別の匂いが強く漂っている。そして数分と経たないうちに、以前ネットで見た、アメリカで夏羽が2度観察されている雑種―アライソシギ×オバシギの姿が脳裏に浮かぶ。そうだ!まさにあれをそのまんま幼鳥にしたような鳥ではないか!!というわけですぐさま撮影者のSさんにDMを送る、するとSさんもやはり同じことを考えていたところだという。さらに後日興味のありそうな友人知人の何人かとやりとりがあったが、やはり皆さん同意見。まあある程度熱心なシギチ観察者なら誰が見てもそうなるよなぁ、となんだか改めて深く納得してしまった。

その後はいうまでもなく私も何度もこの個体を観察しに現地を訪れたが、尾羽、腰、翼の上下面なども含め、最初の画像では見えていなかった細部を見れば見るほど、両種の中間の特徴を見事に兼ね備えていることがさらによくわかった。一応念のために他の組み合わせの雑種の可能性も色々想像してはみたが、やはりこれといって上手く当てはまるものはない。さらに10月のかなり幼羽に近い状態から、第1回冬羽、第1回夏羽と長期に渡る羽色の変化からも、当初の判断を支持する要素しか出てきていない。つまり野外識別の観点からは、非の打ちどころのないアライソシギ×オバシギ、というのが私の率直な印象だ。

なおこうした個体については、DNA分析云々という声もよく聞こえてくる。もちろんそちら側からも裏付けが取れればそれはそれで興味深いと思うが、ただ実際にそうした作業に直接関わることができる可能性があるのはほんの一握りの人にすぎない。これに対して野外観察や、今の時代ならではのネットによる画像収集・比較検証といった作業は、その気になれば誰でもすぐに行え、直接的にその過程に参加できるのが大きな利点であり醍醐味だ。この個体の画像はこれまでにネット上にもかなり多数出回っているので、「~と言われている」という伝聞に終わらず、両親の特徴がどこにどう表れていると考えられるのか、ぜひこの機会に全体の印象から細部に至るまで、一人一人の目で詳しく観察し考えてみて頂けたらと思う。

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アライソシギ×オバシギ 第1回冬羽 2014.11.10 千葉県船橋市 1st winter Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
オバシギより嘴が短く全体にやや寸詰まりの体型で、嘴基部と足の黄色味が目立つ。特に第1回冬羽への換羽が進むと、何よりも全体の羽色の暗さが遠目からも非常に際立っていた。この画像では上背から肩羽、大雨覆、中雨覆が冬羽に換羽している状態で、三列風切や小雨覆にはかなり幼羽が残っている。

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アライソシギ×オバシギ 第1回冬羽 2014.10.27 千葉県船橋市 1st winter Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
左のオバシギと比べて、嘴の短さと羽色の暗さに注目。

a0044783_09275804.jpg<同年齢のオバシギ(下)との比較
冬羽に換羽済みの上背から肩羽はオバシギより暗色で、白っぽい羽縁が目立たずよりベッタリと一様に見える。雨覆は幼羽が多く残っているが、こちらも摩耗を考慮してもオバシギより羽縁が狭く、遠目により暗色に見える。



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参考:アライソシギ Calidris virgata 2015.1.19 ロサンゼルス
チドリ類を思わせる短い嘴が特徴。冬羽は腹部を除いて全体に暗く一様な灰褐色。嘴基部と足の黄色が目立つ。件の雑種は全体にオバシギとの中間的な特徴を併せ持っていることがよくわかる。

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アライソシギ×オバシギ 幼羽→第1回冬羽 2014.10.14 千葉県船橋市 juvenile-1st winter Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
まだ幼羽の多く残る10月中旬の画像。上尾筒は白色で無斑、なおかつ密に暗色斑が並ぶ下背との境界線が明瞭なのもアライソシギの特徴が出ている。さらに翼上面の白い翼帯はオバシギより太めで、初列風切の基部外弁にも白色部がある。

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アライソシギ×オバシギ 第1回冬羽 2014.10.14 千葉県船橋市 1st winter Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
尾羽はT6(最外側羽)とT5の基部が白く、それ以外の部分が黒っぽくテールバンドを形成する。オバシギでは基部まで一様な灰褐色なので、この点もアライソシギの特徴が出ている。

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アライソシギ×オバシギ 第1回冬羽 2014.10.27 千葉県船橋市 1st winter Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
腋羽と下雨覆はほぼ真っ白。この点もアライソシギの特徴がよく表れている。オバシギやコオバシギでは暗色斑が散らばり、これほど白くは見えない。

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アライソシギ×オバシギ 第1回冬羽→第1回夏羽 2015.4.6 千葉県船橋市 1st winter-1st summer Surfbird x Great Knot Calidris virgata x C.tenuirostris
この画像ではまだ不完全だが、夏羽は胸から腹に太い黒斑が並び、肩羽が赤褐色で錨型の黒斑がある、オバシギによく似た羽色になった。しかしそもそもアライソシギとオバシギは夏羽の羽色がよく似ているので、これも全く予想通りの結果だった。

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# by Ujimichi | 2015-08-14 16:55 | シギチ

2015年 08月 04日
オオメダイチドリ
今年は春から忙しくて放ったらかしにしていたので久しぶりの更新。昨日撮影のオオメダイチドリ。見つけた時は陽炎の彼方だったが、最終的には目の前で水浴びも披露してくれたので暑いなりに行った甲斐はあった。それにしてもやっぱり見る度に嘴のデカさに感心してしまう。

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オオメダイチドリ

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オオメダイチドリ

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オオメダイチドリ (左) とメダイチドリ (右)

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# by Ujimichi | 2015-08-04 16:56 | シギチ

2015年 05月 29日
奇跡の2ショット
昨年10月14日の画像から。

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# by Ujimichi | 2015-05-29 18:22 | シギチ

2015年 04月 08日
アイスランドカモメと不明カモメ
まずは今年の都内のアイスランドカモメ亜種kumlieniの画像を一点。ところでよく考えるとこの個体、今のところ日本国内では最も南で観察されたアイスランドカモメということになるはずだ。

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アイスランドカモメ 亜種kumlieni Larus glaucoides kumlieni

一方で、2009年に山階鳥類学雑誌に論文発表され、日本産鳥類目録第7版にも出典として採用されてしまっている2007年長崎県雲仙市の記録は、多くのカモメ観察者が一目でわかるほどの明らかな誤認例。ネット上の同個体の画像を見てもまず背の色が濃すぎるし、足は黄色いし、初列風切のパターンもいかにも不自然。タイミルセグロカモメまたはセグロカモメの初列風切を単に白くしたような奇妙な外観のこうしたカモメは、かなり稀ながら日本各地でこれまで度々観察されている。アイスランドカモメとは言い切れない―のではなく、アイスランドカモメではないと明確に言い切れるタイプだ。件の論文は確かにカモメをよく知らない人が見れば専門用語や細かい数字を並べた一見いかにももっともらしい体裁なので、一般に権威あると思われている研究誌や目録にもあっさり載ってしまったのだろうが、せめて影響力の強い機関の中にはもう少しカモメ類を適切に見極められる人が増えることを願うばかりだ。

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長崎のものと同タイプの不明カモメ  2002年3月23日 神奈川県
13年も前の画像だが、この個体は発見した時点でアイスランドカモメという選択肢自体思いつかない全くの別物という印象。背の色はセグロカモメと同等。小さめの個体ではあるが、特にタイミルセグロカモメの小さめの個体では普通に見かける範囲のサイズと体型と感じた。畳んだ初列風切は各羽先端の白色部が非常に大きくてほぼ切れ目なく繋がっているが、と同時に内弁側の縁(この画像では上辺部)が不自然に黒ずんでいるのもこのタイプによく見られる特徴で、アイスランドカモメには普通見られない配色。長崎個体も特にネット上の画像で同様の特徴がはっきり現れている(これに対して本エントリ冒頭のアイスランドカモメではこの内弁側の縁が逆に白っぽいぼかしになっていることに注意)。既知の種の中で消去法的に識別すると、人によってはこのような不明個体をアイスランドカモメと見てしまうのも無理はないが、こうしたタイプの存在を予め知っていればそれほど迷うことはないだろう。

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# by Ujimichi | 2015-04-08 17:31 | アイスランドカモメ

2015年 03月 29日
アイスランドカモメ亜種kumlieni 第4回冬羽
遅くなったがとりあえず2月21日のカモメ類をUPしておいた。今期私がアイスランドカモメ亜種kumlieniを観察できたのは結局この日と4日後の25日の2日のみ。その後は何度通っても会えず、どうやら今年は随分と短期間でいなくなってしまったようだ。ただでさえ以前からかなり気まぐれでなかなか思うように出会えないこの個体、その上今年は昨年までと比べてカモメ類の数自体がはるかに少ない日が多く、果たして来年は無事再会できるのかどうか、かなり不安を残したままのシーズン閉幕となってしまった。

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アイスランドカモメ 亜種kumlieni  Larus glaucoides kumlieni 第4回冬羽

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# by Ujimichi | 2015-03-29 17:36