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2012年 12月 26日
スズガモの個体差
10日の画像からスズガモ雄成鳥2個体。スズガモの嘴先端の黒斑の大きさは、平均してキンクロハジロとコスズガモの中間くらいだが、実際はキンクロハジロ寄りのものからコスズガモ寄りのものまでかなりの個体差がある。

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スズガモ Aythya marila  ♂  嘴先端の黒色部の広い個体(左)と狭い個体(右)

カモ類において通常「個体差」と見なされるこうした小さな差異が、実は何代も前、あるいはもっと遥か昔に起こった他種との交雑に起因している?ということを、一応「一つの可能性」として想定してみるのも確かに面白いかもしれない。しかしながら、そうした特徴が、単なる個体差や、性別、年齢、換羽状態、角度、光線状態などの他の様々な要素に起因するものとそれなりに明確に区別できるものでない限り、実際にそうした小さな差異を根拠にその個体を雑種と判断することは難しい。つまり通常ある1羽のカモを外見から雑種と判断するには、ある程度明確に交雑由来と考えられる特徴が(できれば複数)あることを条件とするのが望ましい。以上の観点からいうと、この冬新潟でメジロガモとされた雌個体はこうした雑種の条件に明確に当てはまり、関西で見られている雄個体はこれまで公開されている画像を見る限り当てはまらない。具体的にはこちらも参照して頂きたい。
by Ujimichi | 2012-12-26 14:36 | カモ


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