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2008年 09月 09日
順番
関東で毎年ジシギを見ていると、7月から9月にかけておおよそ、オオジ成鳥→オオジ幼鳥→チュウジ成鳥→チュウジ幼鳥という順番で渡来していることがわかる。オオジが先でチュウジが後というのは広く知られているし、他のシギチでも成鳥→幼鳥の順番で渡来するのは常識だから、この2点を組み合わせてよく考えればごく自然なことかという気がする。といってももちろんこれらの滞在時期は互いにオーバーラップしているわけで、例えば8月前半はオオジの成鳥+幼鳥、8月後半~9月初旬はオオジ幼鳥+チュウジ成鳥を同時に見る機会が多い。

色彩はチュウジよりオオジが淡色に見える傾向があり、かつ両種とも成鳥(冬羽)より幼羽の方が淡色に見える傾向がある。ということは「オオジ幼+チュウジ成」の組み合わせを見る機会が多い8月後半~9月初旬は両種の色の差がもっとも極端に出ることになる。この時期は確かにわかりやすいとも言えるが、しかし実は違うステージのものを比べている可能性が高いのだから、本当は妥当な比べ方とは言えない面もある。オオジ成鳥はチュウジ成鳥と、オオジ幼鳥はチュウジ幼鳥と比べて識別を考えるのが本当は正しい方向だ。「オオジ・チュウジを8月末にわかった気になってもその後わからなくなる」という人がいるようだが、どうもそれは単純に色だけに頼りすぎていて、年齢の整理やその他の特徴の観察が不十分な場合が多いのではないかと思う。

追記:↑をあまり杓子定規に受け取られても困るので書いておくと、9月中旬以降にオオジシギが見られることもある。ただし逆に7月にチュウジシギを見た経験は今のところない。

画像は何の関連性もなく今日撮ったキジバトの巣材集め。

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by ujimichi | 2008-09-09 10:42 | ジシギ


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