人気ブログランキング | 話題のタグを見る


2010年 01月 17日
最長寿カナダ
1987年12月に発見したカナダカモメ87A個体を今年も確認できた。最も出現率が高かった同期の87Bの方は渡来が途絶えてしまったが、87Aはこれで23冬目、87年当時すでに成鳥だったのでその年を仮に5歳としても27歳ということになる。そんなに出現頻度の高い個体ではないが、その代わり出る時は大体同じ場所に出るところが面白い。

最長寿カナダ_a0044783_11445731.jpg
カナダカモメ 87A

最長寿カナダ_a0044783_11444093.jpg
カナダカモメ 87A
こちらが1987年に発見した日の写真。条件が違うので現場でよく観察している人でないと同一ということ自体わからないかと思うが、カナダカモメの中でもより一様な頭の斑の質、カナダカモメの中でもより短い足、静止時にP5が露出する癖などが一致していることが読み取れる。

ちなみに当時はもちろんデジスコやデジ一眼なんてない時代。スコープにアタッチメントでフィルムカメラをつないで撮っていた。撮影技術や時間帯の問題(こちらは夕方の撮影)はあるにせよ、同じ場所で同じ鳥を撮ってこのクオリティの差はやはり時代を感じさせる。しかも当時はもちろんカナダカモメ自体国内の図鑑には載っていないし、現在のようなインターネットなんかもちろんない。外国の図鑑の数えるほどの写真や図版、簡単な解説文が貴重な情報源だった。ちょっと齧っただけで二言目には「カモメは難しい」「わけがわからない」などという人は多いが、これでも今は情報量、機材の質とも信じられないほどに恵まれた時代なのだ。
by ujimichi | 2010-01-17 15:13 | カナダカモメ


<< 翡翠 こう見えても・・・ >>