カテゴリ:シギチ( 92 )

2011年 10月 06日
ヨーロッパムナグロ
拙著「シギチ・ドリ類ハンドブック」に日本未記録種として掲載した、ヨーロッパムナグロ Eurasian Golden Plover Pluvialis apricaria が先日沖縄で記録された。ムナグロとの比較画像、及び最大の特徴である白い翼下面も鮮明に撮られているので、次回改訂の機会が来れば当然ながら国内記録種として扱う予定。

ところで私の感覚ではヨーロッパムナグロとアメリカムナグロはかなりかけ離れた鳥なので、今回の個体が当初アメリカムナグロと識別されていたことについては随分と不可解に感じられた。翼下面の画像が撮られる以前に、大きさの情報もない数枚の画像を見た段階でも、私としては少なくともアメリカムナグロでないことは一目瞭然だったし、後に出てきたムナグロとの比較画像に見られるサイズの巨大さも考えればなおさら「なぜこれが?」という印象を強く受けたのが正直なところだ。ただ、おそらく今回の個体はヨーロッパムナグロとしては黄色味の乏しい個体であったことや、最長三列風切からの初列風切の露出枚数(primary projection)が4枚で両種に共通していること、そして何よりも国内未記録であることも手伝ってなかなかヨーロッパムナグロという方向には話が進みづらかった面は確かにあるかもしれない。またあるいは今回は羽毛を寝かせて頸を伸ばした状態で採餌していることが多くて、海外の画像等でよく見られるダルマのようにまん丸なイメージとは多少異なって見えた可能性もあるかもしれない。

というわけでいずれ「シギチ・ドリ類ハンドブック」改訂の機会があれば、今回の記録やその経緯から読み取れた要素はできる範囲で盛り込んでより完成度の高い内容にできたらと思っている。ただし通常出版物というのは現行の版の在庫がある程度はけない限り改訂の話はなかなか進まないのが現実なので、早い時期の改訂をご期待の方はできるだけ現行の初版第3刷をまずは買ってください。(笑)

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▲画像は今年8月に撮ったムナグロPluvialis fluva2羽。神奈川県内では数年前までムナグロが群れていた某休耕田が壊滅し、今年は行き場を失ったかのようなわずかな個体が上空を鳴きながら飛んでいくのを何度か目にして暗澹たる気分にさせられた。残念だが今後もこちらでのムナグロ類の観察についてはあまり明るい見通しは立ちそうにないのが現状だ。
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by Ujimichi | 2011-10-06 16:03 | シギチ

2011年 08月 14日
比較
2009年8月に千葉県内陸部の休耕田で観察されたヒバリシギ×ハマシギ?と、同年9月に同県東京湾岸で観察されたヒメハマシギを同じ向きで並べてみた(ヒメハマシギの画像は左右反転している)。

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で、見ての通りここからまず一目瞭然で読み取れる違いはなんといってもプロポーションだろう。顔の大きさはほぼ同じになるように並べているが、にもかかわらず尾端の位置が全く異なっている。つまりヒメハマシギは頭の割に胴が小さく、後部が寸詰まったような体形をしているのが特徴だ。この2者は脚の色や模様の違いを抜きにしても一見した印象がかなり異なるのだが、その違いを生んでいる最大の要因が実はこのプロポーションの差なのだろう。というわけで今後ともフィールドやネット上でおかしなシギに出会った場合や、北米のヒメハマシギの画像を見る際にもこうした点に注目してみるとかなり面白いと思う。(追記:その際に特に斜め後から撮った写真では実際より寸詰まりに見えてしまうので、極力真横で写っているもので比べるのがポイント)
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by ujimichi | 2011-08-14 13:05 | シギチ

2011年 08月 06日
偶然です!?
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Presumed Hybrid caridris sandipiper. Dunlin X Long-toed stint?

画像は一昨年に千葉県で撮影したハマシギ×ヒバリシギか?と思われる雑種シギ。どういうわけか近年似たような特徴を持つシギが各地でポツポツと観察されている。ざっと今憶えているところを挙げると北海道1例、千葉県2例、三重県2例、沖縄県2例といったところか(まだあったかも?)。これら全てが同じ組み合わせの雑種という確たる証拠はないのだが、しかし大きさ、形、足の色など基本的な特徴がおおよそ共通していること、細部の特徴に多少のバラツキはあって当然であること、シギチの雑種自体が本来はかなり稀であることなどを考えると、やはり同一の組み合わせの雑種である可能性はかなりあるように思う。これらは幼羽か第1回冬羽、成鳥冬羽だが、ところがつい先日、石川県のあの(笑)有名掲示板についに夏羽個体の画像が出ていてびっくり仰天。思わず書き込みをしてしまった。

ただその中で、万が一誤解した人がいては困るので一つ補足。「羽色にハマシギ夏羽の特徴がさほど明確には出ていないので、ハマシギ×ヒバリシギと断定まではしなかった」とか、「雑種の両親を特定するのはなかなか難しく、前例も少ないので見解がバラけるのは無理もないと思う」というようなことを書いたのだが、もちろんこれはあくまで「この組み合わせの雑種で間違いないかどうか」という話であって、「ヒバリシギかどうか」というのは私は初めから全く問題にしていない。一見して「該当種なし!」とわかるこの手の個体の風貌は、ある程度シギチをよく見ている観察者には衝撃的。今回実際に観察された方々もかなりびっくり仰天されたようだ。掲示板はすでに通常営業(笑)に戻っているので、内容を確認しておきたい方はお早めに。 http://www.daikando.com/nature/
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by ujimichi | 2011-08-06 16:05 | シギチ

2011年 06月 11日
ムナグロ2005
画像はちょっと古いが2005年4月撮影のムナグロ。こうした黄褐色味が乏しくて眉斑がかなり明瞭な個体もしばしば見られる。ところで「日本の鳥550 水辺の鳥」に掲載されている1987年埼玉県のアメリカムナグロとされる個体は、特に近年の北米で撮られた多数のアメリカムナグロ冬羽の画像と比べてみると、確かに全体的な印象は非常によく似ていると思う。以前は体型がすらりとしすぎている気もしていたが、この点も近年の北米の多数の画像と見比べると別段悪くはないようだ。ただし三列風切に脱落があり、正確な初列風切の露出枚数が今ひとつ判断できなのは以前から気になっているところ。また側頸が白いこと及び撮影時期を考えると、眉斑の白さは夏羽への移行によるものである可能性を考えなければならい。この記録が掲載された山階鳥類研究所研究報告Vol.32のPDFを見ても同じ写真1枚しか載っていなかったので、もし私が現場で動いている実物を見たらどんな印象を受けたのかちょっと興味深いところだ。

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ムナグロ Pluvialis fulva
やや見にくいが、初列風切の露出枚数は3枚。三列風切は脱落がなく揃っている。このように目の後(耳羽)の暗色斑が目からつながって見えるのもアメリカムナグロの特徴の一つとして言われることがあるが、実際にはムナグロでもよく見られる。
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by ujimichi | 2011-06-11 18:49 | シギチ

2011年 06月 05日
ムナグロ
昨年三番瀬で撮影したまま放ったらかしていたムナグロの画像。ムナグロは昔から河川下流域の干潟では普通に見かけるが、ここのような前浜干潟で見た記憶はあまりない気がする。

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ムナグロ

ところで日本国内でのアメリカムナグロに関しては、私がこれはよいのではないかと思ったのは今のところ実は1例しかない。しかもそれは以前知人からメールで画像が送られてきたもので、特に発表等はされていないようだ。最近もネット上でそれっぽいとされる画像を見たが間違いなく普通のムナグロだった。アメリカムナグロはよほどわかりにくい個体とか観察条件が悪すぎるとかでない限りそんなに難しい鳥ではないので、少なくとも頻繁に渡来していて見逃されているといったことではないだろう。シギチドリ類ハンドブックでは「数例の記録があるといわれる」というかなり曖昧な扱いにしてしまったが、実際には今のところ限りなく国内未記録に近い存在だと思っている。
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by ujimichi | 2011-06-05 20:43 | シギチ

2011年 05月 26日
川黄足
今年も近所の川にキアシシギがやってきた。実際は何ということもない住宅地の小河川なのだが、こうして一部分を切り取ると一見山地渓流のようにも岩礁のようにも見える画像になるところがちょっと面白い。

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キアシシギ

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キアシシギ

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キアシシギ
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by ujimichi | 2011-05-26 20:10 | シギチ

2011年 05月 19日
うなじ
16日の画像からセイタカシギ。こんなんこんなんを見るとちょっと夢が膨らまないでもないが・・・。

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by ujimichi | 2011-05-19 18:13 | シギチ

2011年 05月 18日
ウズラシギ
一昨日の画像からウズラシギ。全体に鳥が遠い中ですぐ傍まで寄ってくれたのでちょっと楽しかった。

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ウズラシギ

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ウズラシギ

ところで昨日紹介したオランダのエスキモーコシャクシギとされる画像が出ているサイトだが、何となく気になって他の鳥のページも見ていたら、「Pintail Snipe」 (ハリオシギ)として思い切りタシギの画像が出ていた。(^^; 
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by ujimichi | 2011-05-18 22:05 | シギチ

2011年 05月 17日
チュウシャクシギ
昨日の谷津干潟の画像からチュウシャクシギ。谷津干潟は毎年通っているわけでもないので詳しい状況はよくわからないが、どうも最近潮が引ききるまでなかなかまとまったシギチの群が入ってこない傾向のようで、閑散としている時間がやたらと長いのは何とも残念。以前ならそれこそ引き潮を待ちかねるようにどんどん入ってきたものだが・・・。

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チュウシャクシギ

ところで何やら絶滅種とされるエスキモーコシャクシギらしき個体が近年オランダで撮影されたという面白い話があるようなので、ちょっと検索してみたらすぐに出てきた。しかしこれ、写真のクオリティ自体がかなり厳しいのでわかりにくいが、どうも普通にダイシャクシギの群中をチュウシャクシギが1羽飛んでいるだけの写真ではないのか?「小さくて黄褐色」だと書かれているが、この光線状態ならチュウシャクシギがこの程度の色に写って全く不思議はないし、サイズに関してもチュウシャクシギはダイシャクシギと並べば結構小さく見えるし、飛翔写真ではなおさら距離の問題が絡んでくる。もちろん絶滅種だからといって、或いは北米の種だからといって頭から否定することもないだろうが、にしてもこれらの画像でエスキモーコシャクシギとするのはかなり苦しいだろう。「画像からエスキモーコシャクシギといえる特徴は何ら見られないし、エスキモーコシャクシギが絶滅したと思われる状況を変えるものではない」―といった旨の反論はエスキモーコシャクシギの本場のカナダのバーダーからもやはり出ているようで、私も同様に感じる。
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by ujimichi | 2011-05-17 20:45 | シギチ

2011年 05月 05日
ダッシュ!
引き続き2日の画像からキアシシギ。浅瀬に嘴をつけてダッシュ!というこの漁法はアオアシシギでよく見られるが、80年代の多摩川では一度アオアシシギとツルシギ幼鳥が並んで行うのを見たこともある。いずれにしてもこんな一見テキトーに見える方法で一応ちゃんと魚が獲れてしまうところが面白い。

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キアシシギ Heteroscelus brevipes

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キアシシギ Heteroscelus brevipes
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by ujimichi | 2011-05-05 20:35 | シギチ