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2011年 04月 29日
引き続き
a0044783_5351275.jpgアカハラの話。私のフィールド(神奈川県北部の丘陵地)では、アカハラは毎年4月下旬から5月初旬にかかけて移動途中と思われる群が林内に滞在する。この群が亜種アカハラなのか亜種オオアカハラなのかはもちろん以前から興味はありつつも、姿をじっくり見る機会が少ないので割と曖昧なまま過ごしてきたが、今年改めて比較的好条件で見た範囲ではやはり基本的に亜種アカハラと考えていいようだ。囀りに関してはかなり以前に録音したものをこちらにUPしていたのを自分でも忘れていたが、やはりごく普通の亜種アカハラの囀りに聞こえる。ただし今までここで春に聞いた囀りはかなり変化も多く、それらが全て亜種アカハラの個体差だったのか、稀に亜種オオアカハラも混じっていたのかは今のところ不明。

一方越冬期に関しては、同じ林の中で見かけるのは面白いことにシロハラと少数のトラツグミばかりで、アカハラを見た記憶がほぼ皆無に近い。10~11月にはシロハラやマミチャジナイと共にミズキやムクノキの実に集まっている個体を見ることがあるが、真冬には姿を消してしまう。その代わり同地域の住宅地に残る畑の隅のちょっとした藪地など、少し異なる環境で冬季にしばしば亜種オオアカハラと思われる個体を見かけている。それらも観察条件が悪いことが多いので全貌を十分掴んではいないが、どうもこの辺りの亜種アカハラと亜種オオアカハラは時期的、さらに場所的にも比較的はっきり分かれているのではないか?という印象を今のところは持っている。

現在ネット上を検索すると「オオアカハラ」という名前は普通に見られるが、「オオアカハラだと教えてもらって撮りました」といった頼りない内容のものが多い。また明らかに顔の黒い雄のオオアカハラだけがオオアカハラと認識され、それ以外を割と簡単に亜種アカハラにしてしまっているケースもよくあるのではないかと思うが、もちろんオオアカハラの雌や幼鳥もいるはずなのだから、それでは実態と乖離してしまうことになるだろう。そんな中で「おっこれは」と思ったブログ記事がこちら。少なくとも私自身のこれまでのごく限られた経験の範囲からはこの内容に特に違和感は感じなかった。
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by ujimichi | 2011-04-29 05:40 | ツグミ

2011年 04月 27日
顔色
一昨日の画像からアカハラ。周囲の草を見ても見当がつくと思うが、上下は同一個体。このように首をちょっと捻っただけで光の当たり方が変わり、顔の色ががらりと変化してしまう。したがって一枚の画像から亜種の識別を考えるには確かに注意が必要だろう。

a0044783_20323820.jpgただしこれはカモメやジシギなど他の鳥でもそうだが、こうした変化に出くわした際に、「だからわからない」という言い方にすぐに飛びついてしまう人が時々いるのだが、それはそれでむしろ随分と早計というか、今一歩踏み込んだ観察力に欠ける言い方だと思う。この個体にしても実際現場で見た印象や、当日撮影した多数のカットを総合して見た印象は普通に亜種アカハラであり、特にオオアカハラの可能性を感じるようなものではなかった。例えば仮にこの2枚それぞれと全く同条件(―というのは実際はなかなか難しいのだが)でオオアカハラを撮り、計4枚の画像を並べた場合、やはり両亜種間の違いは出るだろうと思う。

またこうしたある程度以上の難度を伴う鳥の識別に関しては、断定を避けることが立派なことであるような言い方も昔からよくあるのだが、これも実際には場合によりけりだろう。例えばある人がある鳥を断定を避けて慎重に扱う場合、その人がその鳥の難しさを本当によく知っているが故ということももちろんあるだろうが、逆にむしろその人の経験不足や観察力不足が原因で違いを十分に感じ取れていないだけという場合も実際多々あり、この辺は案外紙一重という気がするからだ。また時代が進めば情報量が飛躍的に増えて、以前は難しかったものが断定的に扱って差し支えない環境がいつのまにか整っている―ということも珍しくない。特にこの10年ほどのデジタルカメラやインターネットの普及は、そういう面でしばしば革命的と言っても過言ではないほどの大きな変化をもたらし続けている。

ちなみに私は先日からのエントリで「“タダ”アカハラのように見えた」などと幾分ぼかした書き方をしてきたが、これも単に私が個人的にアカハラの亜種に関してはカモメやジシギほど徹底した観察をしたり情報収集をした経験がないからに過ぎず、まさかそうした自分の経験不足を棚に上げて「そういう扱い方をすべきだ」といった不遜な考えからでは全くないことを付け加えておきたいと思う。
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by ujimichi | 2011-04-27 20:54 | ツグミ

2011年 04月 26日
アカハラ
いい加減シギチくらい見に行きたいところだが、三番瀬も震災被害で入れないとかで、結局今日もアカハラ。やはりどうもこの群は基本的にタダアカハラのようだ。改めて色々画像を見比べると確かにオオアカハラとは顔の黒さ以外にもジズというかストラクチャ的な違いはかなりあるように感じる。といっても個体や状況によってはわかりづらかったりと、その辺ちょっとカモメやジシギに通じるところもあって面白い。

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by ujimichi | 2011-04-26 18:35 | ツグミ

2011年 04月 25日
アカハラとシロハラ
ある一角にアカハラとシロハラが何羽も出入りしていたので数時間付き合ってきた。ここではなぜか冬季アカハラをほとんど見かけないが、毎年この時期になると急に群れが入って一時的に賑やかになる。ただし林内で囀っているだけでゆっくり姿を見られないことが多い。とりあえず今日見た範囲の個体はオオアカハラではなく“タダ”アカハラのように見えた。シロハラもそれなりに変化があって面白い。この辺はもっと沢山数を見て深く追求してみたら面白そうだとは思うが、なにしろカモメみたいにいっぺんに何百羽も何千羽も好条件で見られるわけではないのでなかなか思うにまかせないところはある。

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アカハラ


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アカハラ

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アカハラ

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アカハラ

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シロハラ

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シロハラ

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シロハラ
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by ujimichi | 2011-04-25 20:19 | ツグミ

2011年 04月 23日
4年前のツミ
画像は4年前に繁殖していた若いツミ夫婦の♂。初め林の上を飛んでいたところを遠くから見つけ、怪しい行動からどうもあの辺で繁殖してるのでは?と思って探したらすぐに見つけてしまった。林が込み入っていて巣の正確な位置まではわからなかったが、行動からすぐ近くにあることは間違いなく、無事巣立ちまで確認できた。翌年以降は声すら聞いていないのでここでは一年限りだったようだ。

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by ujimichi | 2011-04-23 23:18 | 猛禽

2011年 04月 19日
空も飛べるはず
3月28日の画像からカナダカモメの空中胸掻きと頭掻き。空を飛ぶというのはカモメたちにとっては我々人間が歩くのと同じくらいに当たり前の行為なのだろう。流出油に対する無力さは目を覆いたくなるほどだが、一方で地震の揺れに対しては最強の生き物だよなあと時々羨ましく思う。

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カナダカモメ Larus thayeri

ちなみに↑のタイトルは今日偶然ラジオから聞こえたスピッツの曲名から拝借。歌詞を字で読んでしまうとこの人一体何を言っておるのか?という感じだが、何も考えずにフワッと聞くと実にいい曲だ。というか実は今日までこの曲の歌詞をまともに読んだことがなかったのだが、聞き方としては結果的にそれで正解だったのかも?

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by ujimichi | 2011-04-19 21:32 | カナダカモメ

2011年 04月 16日
背中の色
画像は3月28日のアメリカセグロカモメ。上段は画面左が当該個体。下段は奥が当該個体。上段の方ではセグロカモメより背中のグレーが明らかに淡く見えるが、下段ではその差が極めてわかりにくい。最初背中の淡さで存在に気付いたくらいなので本当に淡いのは間違いないのだが、この個体に限らずアメリカセグロカモメの背中の色は状況によっては下段のような見え方になることはしばしばある。

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アメリカセグロカモメLarus smithsonianus
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by ujimichi | 2011-04-16 05:51 | カモメ

2011年 04月 13日
OK?
2月21日と3月4日の画像からモンゴル候補2個体。2月21日の方は嘴に黒斑がなく、翼がやや短め。3月4日の方は時期の割には首の斑が多めなのと、こちらもバランス的に翼が短いような気がして現場では今ひとつ確信が持てないまま終わった。しかし色々な画像と見比べると両個体とも特徴は全て個体差の範囲内のような感じなのでやっぱりモンゴルでいいのかも。こういう鳥は基準を厳しくし過ぎても逆に緩め過ぎても不自然なことになるのでその辺の力加減が難しい。

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by ujimichi | 2011-04-13 21:35 | モンゴルセグロカモメ

2011年 04月 12日
春虎
本当に久しぶりに近所を散歩。シロハラとトラツグミが愛想が良かったのでしばし遊んできた。それにしてもいつもながらトラツグミというのはなんとも動きがのっそりしていて面白い鳥だ。春色の雑木林でこいつとにらめっこをしていると何とも平和な気分になる。

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トラツグミ

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トラツグミ

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シロハラ
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by ujimichi | 2011-04-12 20:41 | ツグミ

2011年 04月 11日
モンゴル的
画像は今年の3月8日撮影。全体に淡色部が多い羽色、尾羽の帯など、モンゴルセグロカモメ的な特徴を持つ個体。ただし3月というかなり遅い時期にしては換羽・磨耗・褪色はそう進んでおらず、普通のセグロより白っぽいとは言っても驚くほど白いわけではない。こうした個体は毎年見かけるがなかなか判断が難しい。これまでの経験では日本ではこうした難しい個体が割と多く、韓国や中国の黄海沿岸ではわかりやすいモンゴルセグロカモメが多いようで、この点については以下のような可能性が考えられるかもしれない。
  1. 日本で見られる“難しい”個体のかなりの部分が実はセグロカモメや‘タイミルセグロカモメ’の個体差で、モンゴルセグロカモメの渡来数は実際かなり少ない。

  2. モンゴルセグロカモメの繁殖分布域の南寄りの個体ほど換羽・磨耗・褪色が早くてセグロカモメとの差が顕著、かつ移動性が弱くて黄海沿岸に留まる傾向がある。これに対し北部の個体は繁殖時期が遅いために換羽・磨耗・褪色も遅くてセグロカモメとの羽色の差異がそこまで顕著でなく、かつ移動性が強く日本など遠方へ拡散しやすい。また巣立ち後気温の高い状態をあまり経験せずに冬の日本(特に北日本)に渡来すればこれも磨耗褪色が進まない要因になり得るかもしれない。

  3. セグロ・モンゴルの繁殖地間で実は多少は個体の行き来があり、交雑が起きている。

このうち3については繁殖分布が離れているだけにさすがにどうなのか今のところよくわからないが、日本でのモンゴルセグロカモメの識別の難しさは少なくともこの1と2の両方が複雑に絡み合っているのではないか?という印象を受けている。ちなみに下の2枚目の画像は比較用に3月の典型的なモンゴルセグロカモメ。羽色・体型ともわかりやすく、こうした個体ならば決して識別の難しい鳥ではない。

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モンゴルセグロカモメ 第1回冬羽/夏羽 Larus [vegae/cachinnans] mongolicus
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by ujimichi | 2011-04-11 10:46 | モンゴルセグロカモメ