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2012年 01月 31日
ややこしい
一昨日銚子へ行ってきたが、画像の編集・検証が追いつかないのでとりあえず2個体だけ掲載して速報。

近年のカナダカモメの増加傾向は今年も相変わらずのようで、一昨日もカナダカモメが面白いように出まくった。というか・・・実はこの辺はカモメ観察者の間では時々話題になっているところだが、近年銚子ではカナダカモメとアイスランドカモメ亜種kumlieniの境界線ギリギリに位置するような外観の個体が随分多い。一昨日はその傾向にますます拍車がかかっているような印象で、面白いのと同時に正直ちょっと閉口してもいるところ。(^^;

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Thayer's/Kumlien's Gull

上の個体は現場では前回17日夕方に観察したアイスランドカモメ亜種kumlieniと同一かと思ったが、それにしてはどうも全体に印象がカナダ的なので終始モヤモヤしっぱなし。ところが帰宅後画像を詳細に比較してみると、三列風切や大雨覆の模様に違いがあり別個体と判明。それならば印象がカナダ的なのも納得だが、ところでこれは何なのか?というと、日本での観察ということも考慮して、カナダとkumlieniの中間個体/雑種もしくは淡色カナダの可能性ありとしておいたほうが一応無難なのかなという印象。

また下の成鳥はこの冬すでにA家さんが撮影されていて、私は実物は今回初めて見たが、白色部と暗色部の面積比については極めてkumlieni的に見える。特に北米東部なら普通に暗色のkumlieniとして処理されそうに思うのだが、ただし暗色部自体は比較的黒味が強く、静止時はサイズも大きめで嘴もそこそこ長めなせいもあってか、初列風切を除いた全体の印象は結構カナダ的に見える。というわけでこの個体もなんともいえぬ微妙さを醸し出していた。

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Thayer's/Kumlien's Gull

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Thayer's/Kumlien's Gull

いずれにしても、kumlieni自体がカナダとアイスランド(基亜種glaucoides)の交雑個体群という見方もあるので、もしそうであるならば「純粋なkumlieniかどうか」というような悩み方自体がそもそもちょっと違うような気がしてくるが・・・。他にもこの周辺に位置する様々な個体を観察したので追々何らかの形で紹介したい。



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by Ujimichi | 2012-01-31 22:43 | カナダカモメ

2012年 01月 27日
尾羽まで
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オオジシギ Gallinago hardwickii 神奈川県

A:「ジシギの識別は極力尾羽まで確認した上で判断した方がよい」

B:「ジシギの識別は尾羽さえ見れば答えが出る」

無論のこと、上のAとBは全く意味が違う。Aは確かにその通りだと思うが、Bは極めて誤認に結びつきやすい、誤った認識と言わざるを得ない。この辺りを今一度きっちり整理しながら物を考えていく必要があるだろう。

従来一般的には、「ジシギの識別では決定的な識別点は尾羽だけである」などと言われてきたが、この言い方がどうも受け取り手によっては(あるいは人づてに伝わるうちに)、AではなくBの方にあっさりと横滑りしてしまったり、AとBを曖昧に混同したまま論を進めてしまう傾向があるのは以前から非常に気になるところ。しかもこのブログでも再三書いているように、尾羽と言っても実際には野外では、開き方や重なり、見る角度、光線状態等々の制約により、「完全な」状態で見られることは稀(というか厳密には皆無に近い)であり、さらに実はパターン、形状、枚数に至るまで、個体差や多少の種間のオーバラーップがあることも知られている。

にも拘らず、全身像を随分と軽視して条件の限られた尾羽画像のみから拙速に結論を出してしまう、あるいは一旦尾羽から出した結論に見合いそうな情報ばかりを集めて辻褄を合わせようとしてしまう―といったことが起こる。つまり「尾羽=決定的」というイメージが根深く浸透しているだけに、かえって尾羽という特徴は諸刃の剣であることに注意が必要といえる。また全身像の見方が未熟な観察者は、尾羽の見方にも同様に不備があるケースがどうやら多いように感じる機会も多い。

本来は言うまでもなく、「尾羽だけ」ではなく「尾羽まで」極力確認した上での判断が基本であるはず。撮影機材の目覚しい進化と共に比較的容易に尾羽画像が得られるようになった現在だからこそ、こうしたことを今一度認識しなおすべき時期に来ているように思う。



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by Ujimichi | 2012-01-27 21:43

2012年 01月 25日
ホイグリンイヤー?
今年はなぜかホイグリンカモメが当たっているようでちょっと興味深い(といっても今のところ1日によくて数羽程度だが)。‘タイミル’はともかくとして、ちゃんとした(?)ホイグリンというのはどう考えても少し以前まではこんなに出るものではなかった気がする。

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ホイグリンカモメ Larus heuglini

画像は2005年に本場の越冬地、中東・オマーンで撮影したホイグリンカモメ。特に冬季は足の黄色さはあちらで見てもこんな風に意外と大したことなかったりする。背中の濃さも含め、当時の情報量からは頭の中のイメージがもっと誇張されていたので、実物を見ると思っていたよりは平凡な印象も受けた。
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by Ujimichi | 2012-01-25 22:47 | カモメ

2012年 01月 24日
雪翡翠
久しぶりに近所の散歩画像。うーん確かに冬鳥がいない・・・。ところで関東南部平野では雪というのはそんなに日常的に積もるものではないので、こういう天然レフ板効果な感じはちょっと新鮮。

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by Ujimichi | 2012-01-24 22:00 | 近所

2012年 01月 23日
近すぎて見えない
画像は17日撮影のカナダカモメ。現場のセグロやオオセグロの群中では一際小柄で淡色なのでとてもわかりやすく、ゴチャゴチャにひしめき合う群の中にいても肉眼で一発でそれとわかるほど。ところがこうした緊張状態を単独ドアップで撮った画像だけ見るとなんだか随分ゴツい鳥に見え、これだけ見たらことによってはワシカモメだと思ってしまう人すらもいるかもしれない。いつものことながら今回も帰宅後PCでこの画像を開いてみて、現場で引いた目で見た印象とのギャップがなかなか面白かった。

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カナダカモメ Larus thayeri

ところで識別に関しては昔から、「○○の識別は捕まえてもわからないことがあるのだから―」云々といった言い方があるが、これはどうも、「捕まえて目の前で見る方が絶対に有利なはず」という前提に初めから立ってしまっているように聞こえるところにいつも大いに違和感を覚える。野外観察と捕獲観察はそもそもどちらが優れているというものではなく、それぞれ一長一短のある別々のアプローチ法なのだというのが認識としては妥当なところだろう。
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by Ujimichi | 2012-01-23 19:31 | カナダカモメ

2012年 01月 20日
「カモメ識別ハンドブック改訂版」のレビューがフランスの鳥類雑誌に掲載
大形カモメ類の分類やバイカル湖のモンゴルセグロカモメに関する論文をはじめ、カモメウォッチャーなら誰でもどこかで一度は名前を聞いたことがある世界的なカモメ研究の第一人者、Pierre Yésou 氏から先日pdfが添付されたメールがあり、フランスの鳥類雑誌Ornithos 18-6に拙著「カモメ識別ハンドブック改訂版」のレビューを掲載していただいたとのこと。この雑誌は当然フランス語なので私には読めないのだが、その英訳も送って下さった。

その内容は1992年の「カモメ識別ガイド」から触れられており、「図版は当時出版された他のどれよりも非常に正確でエレガントであった」などと嬉しい評価をして頂いている。今回の「カモメ識別ハンドブック改訂版」についても、「解説は日本語だが、豊かで美しいイラストがそれ自身で多くの情報を語り提供している」とし、換羽サイクルや羽毛の状態による変化、紛らわしい種の識別のページなど、図版および英名・学名だけの情報からも、こちらの制作意図をきちんと読み取った紹介をしていただいているようだ。見る人が見ればその意味するところは言葉の壁をも越えてしっかり伝わるはず、という自負を持って制作に取り組んできただけに、我々著者としても大変嬉しいレビューとなっている。

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by Ujimichi | 2012-01-20 21:21 | カモメ

2012年 01月 19日
In the Twilight...
一昨日の画像。帰り道にいつもの某ポイントを通りかかると思ったよりカモメが多い。しかしすでにほぼ日没時刻。何せ暗いし、予定していたバスに間に合わないかもしれないのでさすがにスルーして帰るか?とかなり迷ったが、やっぱり気になって仕方がない。まあちょっとだけ・・・と思って双眼鏡を覗いたその視野に、いきなり淡色で背の低いアイツが入って大慌て!しかし今からデジスコを組み立てていてはホントに真っ暗になりそうなので、500mmでISOを上げてバシバシ撮ってなんとか特徴は押さえることができた。

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アイスランドカモメ(亜種kumlieni) 第1回冬羽 Larus glaucoides kumlieni (右端)
左2羽はオオセグロカモメLarus schistisagus 第1回冬羽

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アイスランドカモメ(亜種kumlieni) 第1回冬羽 Larus glaucoides kumlieni (右)

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アイスランドカモメ(亜種kumlieni) 第1回冬羽 Larus glaucoides kumlieni 
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by Ujimichi | 2012-01-19 19:48

2012年 01月 16日
前方不注意
12月20日の画像からシロカモメの空中羽繕い。あの、くれぐれも接触事故など起こしませぬように。(^^;

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シロカモメ Larus hyperboreus
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by Ujimichi | 2012-01-16 15:30 | カモメ

2012年 01月 13日
露出
しつこいようだが、ヤマシギの羽を使った実験をもう少し続ける。
まず基本的な確認事項として―

1.鳥の体そのものは光を通さない
2. しかし一枚一枚の羽毛は光を通す


まずこれを押さえて頂きたい。その上で、鳥の体に見立てた練りゴム(光を通さないもの)に、ヤマシギの羽毛(光を通すもの)を差してそれを撮影する。

a0044783_20272643.jpg<まずこちらは普通に順光で撮影したもの。練りゴムは白に近い灰色、羽毛は褐色の地に黒褐色の縞が入っている。

a0044783_20273797.jpg<次にそれを逆光で撮影してみる。羽毛は光を通すので、逆光状態では光を通さない練りゴムとの明度差が激しくなる。この画像では露出は羽毛に合わせているので、そうすると練りゴムは極端に露出アンダーとなり、最初の順光の画像とはまるで違う暗い色に見えることに注意。

a0044783_20274426.jpg<そこでさらに、同じ逆光状態で今度は練りゴムに露出を合わせる。そうすると見ての通り、練りゴムは本来の色に近づく反面、光を通す羽毛は当然露出オーバーとなり白っぽく輝く。黒褐色の縞は不鮮明になり、所々細くなったり消えかかった状態に見える。褐色の羽毛ですらこれほど白く見えるという点に注意。


「沖縄のオオジシギ」とされた2008年の画像の画面右側の尾羽が白っぽく見えるのは、前回取り上げた重なりの問題に加え、こうした単純な露出の問題との相乗効果と見て差し支えないだろう。逆光状態の撮影ではジシギの体(=光を通さない)の色模様が普通に見えるように+方向に露出を合わせるのが普通なので、その状態で急に尾羽を広げたところを撮影すると、尾羽が光を通して露出オーバーとなりやすいのは至極当然のことといえる。
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by Ujimichi | 2012-01-13 21:32 | 沖縄のオオジシギ?

2012年 01月 10日
○人的思考回路
一転全くどうでもいい話。テレビが点いているとやたらと某アイドルグループの名前ばかり聞こえてくる今日この頃。その度についついこちらの個体を思い出して仕方がない。(笑) 下の画像は今まで国内で見た中ではそれによく似た感じの個体。

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モンゴルセグロカモメ 2007年1月19日

ちなみに以前は「モンゴル800」というバンド名からついついモンゴルセグロカモメ800羽の大群を想像してしまい、まるで無関係なのは解っていても一々引っかかって仕方がなかった。(^^;
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by Ujimichi | 2012-01-10 23:42 | モンゴルセグロカモメ