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2013年 05月 31日
シマヘビ
1. ある森の、人通りのある小道のすぐ脇に、ある小鳥が営巣。
2. それに気付いたカメラマンが集まり始める。
3. 繁殖への影響を考慮し、小道が通行止めに。
4. そのバリケードの前に連日数十人のカメラマンが放列を作る。
5. ある日その雛がヘビに襲われる。


さて、このうち3と5に因果関係があると考える人が果たしてどれくらいるものだろうか。ヘビに食われるというのは確かに我々鳥好きには残念な結果だが、自然界では太古から当たり前に繰り広げられてきた、食う食われるという関係がここでも再現された、それ以上でもそれ以下でもないように私の目には映る。

しかしこれも、通行止めが気に食わない一部のカメラマンに言わせると、「親鳥は人間を天敵除けに利用しようとしていたのに、通行止めになどするからヘビに襲われたのだ」となってしまうのはなかなか興味深い。人目を強く意識するカラスなどならまだしも、ヘビにこの論理を持ち込むのはさすがに無理があるというもの。仮にヘビも近寄れないほど近くで人間が監視したのでは、それ自体が繁殖妨害になりかねないのはちょっと考えればわかること。またいざという時に人間がヘビ退治に手を出すのは、心情的にはわからないではないが、果たしてそれが正しい選択なのかどうかは議論の分かれるところだろう。近年のカメラマンの人口爆発や、適切な距離の保ち方を知らない人の存在も考えれば、この場合通行止めはやむを得ない妥当な判断だったといえる。

画像はこの件とは直接関係はないが、先日撮影したシマヘビ。1m以内の至近距離で撮影してもすぐには逃げなかった。無論こんな距離で小鳥の巣を監視したら、それ自体が単なる繁殖妨害になってしまうことは火を見るより明らか。

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by Ujimichi | 2013-05-31 21:47 | いろいろ

2013年 05月 26日
営巣撮影
画像は昨日撮影のクロスジギンヤンマ。

a0044783_20414025.jpgここで季節柄、たまには鳥の営巣撮影について、以前から思うところを少し書いてみようと思う。

一般に鳥の巣というと、人目を避けて目立たない場所に造られるイメージもあるが、実際にはわざわざ人通りの多い道沿いの木を選んだかのように造られるケースも意外に多い。近年はこれが多くのカメラマンを呼び寄せる結果になることが多いが、しかしこういった場合の親鳥は、確かに人間をカラス等の外敵除けとして利用している可能性は大いにある。一番わかりやすい例でいうと、ツバメがわざわざ人の多い駅舎や商店街を選んで巣を作るのも、ちょっと他に理由が思い当たらない。

ただ、ここで我々観察者や撮影者が重々注意すべきだと思うのは、こうしてあえて人間を利用していると思われる親鳥たちでさえ、当初は「無関心に通り過ぎていく人々」を見て営巣場所を決定した可能性が高いということ。何十人ものカメラマンに一日中張り付かれるとか、その中には無思慮に距離を縮める者も出てくるという事態まではさすがに想定していないだろう。したがって「彼らは人間を利用しているのだから好き勝手に撮影させろ」というのはさすがに都合がよすぎる解釈。最悪営巣放棄とか、エサが十分に運べず雛が衰弱死するといった危険性をやはり考えなければならない。また、「カラスがカメラマンの動向を見ていて巣の存在に気付く」という可能性については、果たしてどこまで実証されているのかは私はよく知らないが、少なくとも「あり得る話」として留意する価値くらいは十分あるのではないかと今のところは思っている。

まあもちろんだからといって、繁殖活動を見ることや撮ることを感情的かつ一律にタブー視するような稀に聞かれる言い方も確かに少し違うと思うし、よもやそれによって、どんな巣をつくり、どんな子育てをするのかすら誰も知ることができない時代になってしまうことが決していいとも思ってはいない。「あなたが他人に四六時中覗かれていたらどう思うか」みたいな例えもよく聞くが、その例えはむしろ人間同士だからこそのストレスという面が大きいのであって、鳥が人間という全く異種の生物に見られる・撮られるということにそのまんま置き換えるにはだいぶ無理があるし、人間の視線や挙動をどの程度意識するかは、種や個体や状況によって全く千差万別なのが実際のところなので、そうそう一概には言えないのも確かだろう。

しかしとはいうものの、昨今のカメラマンの爆発的増加や質の低下(-情報頼みで自分で鳥を観察していない・警戒していることがわからないなど)を思えば、一旦カメラマンが集まってしまえば、ロープが張られるなどしてある程度立ち入り範囲が制限されるくらいのことは、なるべくしてなる当前の結果。「立ち入り規制がかえって天敵の侵入を許すではないか」などと言う前に、そうした規制を招いているのは他ならぬカメラマン自身なのだという認識をせめて持つ必要があるように思う。

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by Ujimichi | 2013-05-26 20:36 | いろいろ

2013年 05月 22日
ウラナミアカシジミ
今期初見のウラナミアカシジミ。林縁部の葉上などを眺めながら歩いていて、緑の葉陰からふっとこの見事な模様が目に入る瞬間はいつも新鮮な驚きを覚える。この辺りでは90年代にはほとんどといっていいほど見かけた記憶がないが、なぜか近年は毎年見かけるようになった。全体的にはこの約20年の間に人手が入って環境が悪化した部分が多いが、反面以前は雑木林が放置され遷移が進み過ぎていた印象もあるので、もしかするとこのチョウにはたまたま有利に働いたところがあったのかもしれない。

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by Ujimichi | 2013-05-22 21:25 | チョウ

2013年 05月 21日
警戒態勢
先週のオオジシギ画像から。じっと座っている私の目の前で長時間平気で採餌していたオオジシギが、いきなり地面に伏せて警戒態勢に。「え?俺何か悪いことしたか?」と不安になったが、よく見たらどうやら上空を気にしているようなので、ふと見上げると思い切り頭の真上をノスリが飛んでいて、そういうことかと一安心。他には通行人がすたすたと大股歩きで私の後ろを通った時も、採餌を中断してかなり警戒していた。

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オオジシギ

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ノスリ

ここでちょっと思い出したことを書いておくと、10年ほど前の9月、暑い中何時間も探し回ってやっと数羽のジシギが草むらから顔を出しているのを見つけ、さてここからが勝負!とばかりにそーっと座り込んで観察開始。ところが5分もしないうちに私の真後ろに何やら車が止まる気配が。ドタン!バタン!と大きな音を立てて慌ただしく数人のカメラマンが降りてくる。しかも身を屈めるとか三脚を目立たないように持つとかいった配慮も何もない。これはまずい、と思う間もなく、そこでジシギは驚いて全て空高く飛んで行ってしまった。しかもそこへ追い打ちをかけるように「何かいるんですかぁ~?」と呑気なカメラマンの質問。「あー、今ジシギ見てたんですけどね!」と嫌味を込めて飛び去るジシギの後ろ姿を指さしたところ、「あーあれですか」といかにも興味なさそうに返事をし、なんと一言の礼も詫びもなく、またドタンバタンと慌ただしく車に乗り込んで去って行った・・・。

どうもあの口ぶりから察するにタマシギでも期待していたような雰囲気だったが、こちらは汗だくで探し回った結果がこれなのだから、あの時の情けなさと腹立たしさは未だに忘れることができない。まあ相手は野生の鳥なので、時には「気を付けていても飛ばれてしまう」のはとりあえず誰にでもあるところだし仕方ないかとも思うが、こうしたケースではむしろ「まるで気を付けてさえいない」のが何と言っても大問題。これに類似したことはその後も何度も経験し、最近はなるべくカメラマンのいないフィールドを選ぶことで何とか被害を回避している形だが、色々各地から聞こえてくる話なども総合すると、全体としてはこうした傍迷惑な他力本願の風潮はむしろ年々悪化している印象を受ける。本来は近寄り方などにちょっとした配慮さえできれば、他人を当てにしてもそんなに問題ないことも多いのだが、実際には自力で鳥を探したことのない人ほどそこまで気が回らず、結局なかなかこの手の被害が減ることがないようだ。せめてこうして折を見て経験談を発信することで、少しでも問題点に気付く人が増えるといいのだが。
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by Ujimichi | 2013-05-21 00:18 | ジシギ

2013年 05月 14日
再挑戦
一瞬の後姿だけではどうにも納得がいかなかったので、再度高原へ行ってきた。今回は幸い前ほどの強風はななく、2羽のオオジシギが割と長時間出ていてくれ、1羽はかなり近くで撮影もできたが、もう1羽が地上で時々ぐぜっている程度で、今回も結局ディスプレーフライトはなし・・・。遠くから他個体の声が聞こえてくるということもなかった。過去の撮影データを見ると、他所の高原では同時期の同時間帯でも普通にディスプレーフライトは行われていたし、その時の気象データを検索しても風もある程度は吹いていたようなので、この違いが何によるものかちょっと不思議。加えて繁殖地のオオジシギというと、木や柵や電柱に止まっているのを簡単に見つけられそうなイメージがあるが、ここは適当な止まり場自体があまりないし、渡りの時に平地で探すのに近い感覚になってしまうことが多いようだ。まあそれでも涼しいところでじっくり見られたのでとりあえずよかったかなと。

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オオジシギ Gallinago hardwickii

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オオジシギ Gallinago hardwickii
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by Ujimichi | 2013-05-14 14:38 | ジシギ

2013年 05月 11日
高原の小鳥たち
7日の画像から、高原の小鳥類の記念写真。強風で出てきてくれないオオジ探しに時間をとられて全然落ち着いて撮れず。

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ノビタキ

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ホオアカ

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ヒバリ

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コムクドリ

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by Ujimichi | 2013-05-11 17:18

2013年 05月 10日
ダマされません
引き続き7日の高原の画像から。現地に到着してほどなく、「ズビーズビー」というあのしわがれ声がどこからか響く。「おお、やっぱりいるぞ!」とばかりに早速機材を準備。地上で鳴いたのは確かなようだが、見回しても姿が見えない。そこで周囲に注意しながら少しづつ前進する・・・。するとふと視線の先に少し開けた水面が見え、双眼鏡を向けると、何やらジシギらしいシルエットが!声を聞いた位置からいくらも離れていないので、さっき鳴いたのはこいつだったのかな?とスコープで覗いてみてがっくり・・・。タ、タシギじゃん^^; まあ考えればまだ五月上旬だし、環境的にもいて全くおかしくないわけだ。

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タシギGallinago gallinago

それにしてもこれと全く同じ状況に置かれて、現場で尾羽や次列風切を見ずにはっきりタシギと認識できる人が日本の全鳥見人・鳥撮り人の何%くらいいるのか、ちょっとだけ興味深いところ。ちなみにもちろんまさか鳴いたのはこのタシギではなく、後ほど草むらで一瞬だけ見ることができたオオジシギの方。
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by Ujimichi | 2013-05-10 15:51 | ジシギ

2013年 05月 09日
ホンドギツネ
一昨日の画像から、オオジシギを探している最中にばったり出くわしたホンドギツネ。結構距離が近かったので、こちらの存在に気付くと草地に身を伏せてしばし固まっていたが、こちらがちょっと気を抜いた瞬間に火が付いたように走りだし、惚れ惚れするようなスピードと軽快な身のこなしであっという間に遥か彼方へ去って行ってしまった。後から思うともう少しこちらも無関心を装って上手く立ち回ればあるいは警戒心を解くことができたかもしれないが、いずれにしてもこういう時に身を伏せてやり過ごすか?タイミングを見て逃げ出すか?というギリギリの二者択一に揺れる辺りは、ジシギ類の行動とも随分とよく似ているのでそこはちょっと興味深かった。

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ホンドギツネ

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ホンドギツネ

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ホンドギツネ
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by Ujimichi | 2013-05-09 18:43

2013年 05月 08日
強風
昨日はオオジシギの繁殖する高原へ。出発前に見た予報では、天気も悪くなく風もさほどなさそうなので特に心配していなかったのだが、実際着いてみるとなんだか結構な強風が吹いている。この時点でかなり嫌な予感はしたのだが、結局いつまで経っても風は収まらず、ディスプレーフライトは一切なし。到着時に地上でぐぜる声が一瞬聞こえただけで、いくら探し回っても夕方まで姿を見ることすらなく、ほとんど諦めかけていた時に、何とすぐ足元をネズミのように身を屈めて走る姿が!あーっ!と思って500㎜で後姿を連写したものの、すぐに飛び立って遠くの草むらにズボッと落下してあえなく終了・・・。ジシギ類というのはそれでもそこそこの大きさはあるので、首を伸ばして立っていたりすると案外目立つものなのだが、反面こうして身を屈めている時の目立たなさ加減といったら見事という他ない。その上強風を避けて草陰や窪地を中心に行動していたら、まあなかなか見つからなくても当然だよなというのが今更ながらの実感だった。

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オオジシギ Gallinago hardwickii

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オオジシギ Gallinago hardwickii
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by Ujimichi | 2013-05-08 20:20 | ジシギ

2013年 05月 04日
馬鹿者
5月1日撮影のギンラン。しかしもうこの花はここにはない。目立つ場所なので嫌な予感はしていたのだが、たったの3日であっさり盗掘されてしまった。日本中に豊かな里山自然が溢れていたのはもはや遠い過去の話。緑の小島のように残ったこの場所で、今時こんな愚行に及ぶのは、一体どれほど思慮のない人間なのだろうか。

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ギンラン
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by Ujimichi | 2013-05-04 19:48 | 植物