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2009年 12月 24日
野性の顔
近所のオナガガモ。常に周囲の人の動きをよく見ていて、岸に人が近づくと一応寄っていく。どうやら餌をくれないとわかると興味を失ったようにおもむろに羽繕いなどをはじめ、やがて自分たちでせっせと餌を探し始めた。ある断片だけ切り取れば一見餌付けに頼りきっているかのようにも見える彼らだが、「太って飛べなくなる」「渡らなくなる」などといった創られた虚像に比べ、その実像ははるかにドライで野性的だ。

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by ujimichi | 2009-12-24 22:48 | 餌やり規制問題について

2007年 12月 19日
提案
昨日、このブログを見て東京都に質問状を出して下さったある方からメールを頂いた。私などよりずっとしっかりしたすばらしい質問状を送っていただいたようで恐縮してしまったが、にもかかわらず、その方の質問状への回答の中でも、都は相変わらず多くの野鳥観察者が一笑に付すような、事実誤認や憶測によるお粗末な説明を繰り返しており、このキャンペーンの無根拠ぶりを露呈している。

このところ、「水面から石垣に飛び上がろうとしたカモが石垣にぶつかり落ちた」という目撃例を餌付けによる太りすぎの根拠として挙げているのには驚かされるが、もともとカモメなどに比べるとカモは飛行技術に長けてはいないのは見ていればわかることだし、もしどうしてもその事例を根拠としたいならば、餌付いている個体とそうでない個体が全く同じ状況でどの程度上手く飛び上がれるか?ということを多数の個体で検証しなければ何も言えない。そういう目撃例があるというだけでは、逆に「エサ不足で飛び上がる力が不足していた」など、どうにでも理由付けはできてしまうだろう。餌付いている、いないにかかわらず、カモは氷上に降りようとして滑って尻餅をついたりといったヘマをやることもあるのだが、この話は、「野生の鳥は決して失敗しないはず」という人間側の勝手な思い込みから出発しているのがそもそも間違っていると思う。

また、ユリカモメに対する極度の偏見(そもそもユリカモメは「東京都の鳥」なのだが^^;)も改まっていないようで、「過度なエサやりによって池の水質の悪化や、ユリカモメを大量に集めてしまうなど様々な被害が出ています。」などと言っているのだが、集まっただけで「被害」とはユリカモメも気の毒だ。まずユリカモメと水質汚濁を同列に扱う感覚自体が驚きなのだが、カモの健康を異常なまでに気にかけるような言い方との滑稽なまでのアンバランスになぜ気づかないのだろうか?とにかく東京都環境局がこれ以上広く嘲笑の対象になってしまうのは気の毒なので、できるだけ早くカモやカモメに対する一連の認識を根本的に改められることを期待したい。

ただその一方で、 「カモの保護については、本来のエサである水草が沢山繁殖するような環境を創出していくことが必要であると考えています。」 とも言っている。これは私が質問をした時の回答にはなかった点で、この点に限って言えば私はむしろ大賛成であり、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思う。

不忍池ではボート池部分の環境はまだまだ単調なもので、また、日中はボートが池面を占領するために、特に餌付いた経験のない鳥が飛来した場合、落ち着いて休むことが難しい。今までは餌付いている個体につられてある程度安心していたようなところがあると思うが、もし今後餌付けが減少するとそうもいかなくなる可能性があると思う。したがって、水質の改善や他の生物の生息域の確保という観点からも、私の個人的意見としては、ボートハウスの営業範囲を縮小(―廃止が無理ならば)するなどして、中州、浮島、葦原、湿地、浅瀬などを創出し、思い切ってボート池を大規模にビオトープ化するくらいのことを検討してはどうだろうかと思う。東京都がもしそれほどまでにカモの身を案じ、生態系の破壊を憂えているのであれば、餌付けばかりをとってつけたような理由で徹底して目の敵にするよりも、こうしたことにぜひとも力を注いでみてはどうだろうか。

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ボート池 (O.U)

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エサやり防止キャンペーンに関するご意見はこちらまで
東京都環境局自然環境部計画課
電話 : 03-5388-3505
メール: S0000631@section.metro.tokyo.jp

 ※当ブログは決して餌付けを奨励するものではありません。 
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by ujimichi | 2007-12-19 14:57 | 餌やり規制問題について

2007年 12月 18日
関東の4~5月のカモの記録
もういいかな(^^;とも思うのだが、なんだかエサやり防止キャンペーンを推進する東京都環境局の方が―

「餌付けがない地域で、4月に渡りのカモを見かけることがほとんどない。渡りが遅れる原因として安易な大量な餌付け以外考えられない。」

といまだにものすごいことを言っておられるような情報があるので、仕方なく再びフィールドノートから。よく知らないことを無理からでも答えなければいけない環境局の方もお気の毒だとは思うのだが、やはり一般に間違った知識を広められては困るので・・・。

餌付けが行われていない多摩川河口の5月11日と18日の記録 。

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1991.5.11 多摩川河口 コガモ♂1、♀3、オナガガモ♂1、スズガモ♂3+、♂1s2、♀4+ (合計14+)

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1991.5.18 多摩川河口  オナガガモ♂1、スズガモ、キンクロハジロ♂1 (合計3+)

5月半ばでこれだけいるだけでも十分なのだが、餌付けとは極めて縁の薄いコガモとスズガモが含まれていることにも注目してほしい。もちろん4月の記録となるとこれ以上に普通にあるのだが、たいてい数が記入してない。あまりに普通にいるので一々数えなかったのだろうと思う。環境局の方が随分4月、4月、と言っておられるところを見るとどうも5月には冬鳥のカモをあまり確認されていないようにも思えるが、だとすると不忍池のカモは極めて正常な渡りが行われているということになると思う。

私はこれでもさほどマメに記録をとっていない方なのだが、関東のバードウォッチャーなら多くの人がこの手の記録はざらにお持ちだろうと思う。ためしに、餌付けの行われていない葛西臨海公園の記録をネット上から探してみると、4月にマガモ、オナガガモ、コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、スズガモ、といった名前は当然普通に出てくるし、ホシハジロが200羽以上とか、キンクロハジロが100羽以上などというのも出てきた。まあいずれも当たり前のことであり、このような基礎的な部分からして東京都環境局の主張はあまりにもお粗末なものだと言わざるを得ない。

また、渡りとは関係ないが、餌付けに関して前から思っていることがあったのでついでに書き留めておく。餌付けの行われているところのカモというのは、確かに食べている量も多そうに見えるものの、同時にエサの奪い合いで相当なカロリー消費をしているように見える。つまり、入る方を問題にするなら出る方も問題にしないとおかしいと思うのだが、この点に触れられることがないのはちょっと不思議だ。また、撒かれるエサが多ければ集まる数も増えるので、1羽1羽に行き渡るエサの量というのは実際どんなものだろう?とも思うのだが、この点にもあまり触れられることがないように思う。もちろん、だから餌付けに問題がないと言うつもりなど毛頭ないのだが、それにしても「餌付けは悪」という結論先にありきでその理由ばかり探すような見方は明らかに間違っている。

今回のキャンペーンで言われていることというのは、異常なまでに「カモが可哀想」という視点に偏っており、反面なぜかユリカモメだけは極端に悪者に仕立て上げられている。その方が世論を動かしやすいと考えたのかもしれないが、それにしても、役所がマスコミを使って稚拙な作り話をそれらしく流せば、世論などというものは一瞬にして塗り替えられてしまうのだということがよくわかった。私だってもしこれが全然知らない分野のニュースだったらあっさり騙されているのかも知れず、いかに情報というものが恐ろしいものか、ということをつくづく思い知らされた。都は「ほとんど飛べません!」その他数々の間違いを今からでも潔く認めて訂正して頂きたいと思う。
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by ujimichi | 2007-12-18 22:25 | 餌やり規制問題について

2007年 12月 17日
飛びます♪飛びます♪
硬い文章が続いてるので口直しに華麗なるカモ飛翔でも・・・。私ももうちょっと撮りたかったのだが、カウントその他に時間使ってしまってあまり撮れなかった。

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オナガガモ 2007.12.16 上野不忍池 Photo by O.U

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オナガガモ 2007.12.16 上野不忍池    Photo by O.U

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オナガガモ 2007.12.16 上野不忍池    Photo by O.U

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ヒドリガモ 2007.12.16 上野不忍池     Photo by O.U

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キンクロハジロ 2007.12.16 上野不忍池   Photo by O.U



オナガガモ 2007.12.16 上野不忍池


オナガガモ 2007.12.16 上野不忍池

これだけでも例のチラシや報道のいい加減さがわかると思う。建物やボートが写っているので、わかる人には不忍池で撮ったということがよくわかるだろう。カモというのはカモメなどに比べると、もともと一日の間でも飛ぶ頻度はかなり低いし、別に用がなければわざわざ飛ばないのが普通だ。しかもこのところエサやりが極端に減っているので、首をすくめてじーっと待機している個体が多く、「太って飛べなくなっている」ということを吹聴すれば一般の人にはいかにもそんな風に見えてしまうという困った状況なのだが、それでも実際はちゃんと飛翔能力を持っているので、たかだか半日(5時間ほど)でもこうした場面を撮ることができるのだ。TVも単なる季節の話題とかならこういう飛んでるところをむしろ喜んで撮るだろうけど、「メタボガモ報道」では絶対に流さないんだろうな・・・。

ちなみに冬後半から春先には、オナガガモの求愛ディスプレイの一種で、複数の♂が1羽の♀を取り囲んで上空高く飛び回るという行動がよく見られるようになる。まあ今冬はキャンペーンが功を奏して(?)個体数自体かなり少ないのでどの程度頻繁に見られるかはわからないが。
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by ujimichi | 2007-12-17 01:41 | 餌やり規制問題について