2011年 03月 10日
’タイミルセグロカモメ’
先月25日の皇居画像から。この個体が目の前に着水して顔を見た瞬間、「おおこりゃあホイグリンだろ!」と思った。セグロの群中で明らかに一回り小柄ですらりと細身な体つき、頭の斑は極めて細くてかつ少なく、顔はいかにもホイグリン、初列風切の黒色部が多く、ミラーは一個で小さい。

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’タイミルセグロカモメ’ 'tamyrensis'

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’タイミルセグロカモメ’ 'tamyrensis'

ところがよく考えると背中が全然濃くない。その気で見ればセグロより僅かに濃いような気がすることもあるが、まあほぼ同等といっていいだろう。というわけで結果的には「背中の色以外はかなりホイグリン(heuglini)寄りの‘タイミルセグロカモメ’('tamyrensis')」といったところか。体はかなりほっそりとはしているが、翼の突出については確かにそんなに長いわけではなく、この辺もheugliniやカザフセグロカモメ(barabensis)よりはやはり'taimyrensis'的か。足は飛び去る時の画像を見る限りあまり黄色いようには見えず、オレンジがかった肉色?のようなかなり中途半端な色のようだ。

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’タイミルセグロカモメ’ 'tamyrensis'

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’タイミルセグロカモメ’ 'tamyrensis'

ちなみに‘taimyrensis’はセグロ的にボテッとした体型と言われることがあるが、それはあくまでも「heugliniに比べれば」という意味に過ぎないことには注意が必要。実際はセグロの中に入ればむしろかなりスラッと軽くスリムに見えることは多い。‘taimyrensis’がセグロ―heuglini間の交雑個体群またはクラインとするならば、このように「体型や頭の斑などが極めてheuglini寄りだが背中はほぼセグロと同等」といった個体や、また違う様々な特徴の組み合わせの個体がいるのは当然だろうし、実際見ていてもそうなっている。つまりこの辺が、背中の色など共通点が多く、かつ繁殖分布が日本から遠いカザフセグロカモメ(barabensis)の識別にかなりの慎重さを要する所以といえる。この個体についても「こんなカザフもいるかもしれない」という言い方はできてしまうところはあるかもしれないが、特に日本での観察で積極的にカザフの可能性を推すほどの特徴が揃った個体とは言えない。モンゴルセグロカモメについても特徴を箇条書きにすれば当てはまってしまう点も多いが、全体としては特にそれらしい印象は受けなかった。
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by ujimichi | 2011-03-10 21:01 | カモメ


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