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2011年 04月 08日
でかタイミ
昨年3月3日銚子の画像から。かなり大柄でがっしりした個体で、背中の色はセグロ程度で決して濃くは見えない。太長い足は比較的はっきり黄色くてセグロカモメの群中でかなり目立つ。なんだかヨーロッパの画像で見るmichahellisを連想するような個体で、まあさすがに分布的にmichahellisではないにしろ、足の黄色いモンゴルセグロカモメというのは候補に挙げたくなるところだが、しかし初列風切を見ると3月にして未だにP10が伸びきっていない。P9もまだ心持ち短めか。というわけで結局のところ‘タイミルセグロカモメ’の大きい薄めの個体でいいかなというところ。こうした個体は以前から時折見かけることがあり、秋~初冬だと初列風切にセグロカモメより多めに旧羽を残していたりする。

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‘タイミルセグロカモメ’ 'taimyrensis'

ところでそういえば2009年に改訂された「日本の鳥550水辺の鳥」には、神栖市(銚子の対岸)で撮影されたモンゴルセグロカモメ(この本での和名はモウコセグロカモメ)成鳥とされる写真が掲載されているが、私の目には単にこの手の大柄な‘タイミルセグロカモメ’が初列風切の換羽を完了し、かつ頭が白くなった状態に見える。撮影日が4月9日なので、この画像のような個体の約一ヵ月後の姿として全く違和感がない。確かに判断の難しい時期だけに逆にモンゴルの可能性もゼロではないという言い方も可能?かもしれないが、としても日本の4月の撮影でモンゴルとして掲載するにはかなり苦しい印象を受ける。初列風切のパターンは載っていないので不明だが、仮に7~8枚黒色部があったとしてもタイミルにもよく見られる特徴なのでそれだけで特にモンゴルを推すことにはならない。いずれにしろ日本国内で信頼性の高いモンゴルセグロカモメの写真を得ようとするならば、できるだけ春ではなく冬季のうちにできるだけ典型に近い個体を見つけ、極力初列風切のパターンなど多くの特徴をしっかりと撮影するのが一番だろう。
by ujimichi | 2011-04-08 21:02 | カモメ


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