2012.10.13 追記:当該の画像は削除されたようです。
最近また
新たに沖縄のオオジシギとされる画像が出てきているようだが、あれくらい、或いはそれ以上に外側尾羽に白色部の多いチュウジシギがいることは海外のバンディング画像その他から確認できているので、あの画像から当該個体がオオジシギであると判断することは全くできない。また面白いことに、同じ撮影者がこれまでに公開した沖縄のチュウジシギの画像にもほぼ同様のパターンのものはいくつもある。尾羽枚数についても、中央尾羽に脱落のある画像で18枚と確定することは困難。また静止像については今のところ体が前向きのもの1点しか公開されておらず、この点も証拠写真としてはあまりにも不十分。
本州のオオジシギのようにある程度普通に渡来していることが元々わかっているものならともかく、“沖縄のオオジシギ”がそうではない以上、十分な検証をするにはもっと1個体を多角的に捉えた一定量の画像が少なくとも必要だろう。ジシギの識別において尾羽が極めて重要な注目点であることは言うまでもないが、しかしながらこれがいつの間にか「尾羽さえ撮れれば決定的」という安易な捉え方にすり替わってしまっているような印象も受ける。またそれにより、はじめから当該個体がオオジシギという前提で分布その他について今後様々な推論等が拙速に展開されてしまうことについても大きな危惧を感じる。
オオジシギGallinago hardwickii 2011.9.5 神奈川県