2012年 02月 03日
換羽不順
30日の画像から、初列風切の換羽状態が例外的なセグロカモメ。見ての通り、この時期にして未だにP10とP9が旧羽で激しく磨耗している。さらにその割にP8までは伸長中というわけではなく伸びきっている。尾羽はT2~T5までが旧羽のようでボロボロ。次列風切や雨覆にも磨耗した羽が混じっている。セグロカモメは通常この時期には旧羽が抜け落ちて綺麗な新羽に変わっており、遅めの個体でも新しい初列風切が伸長中という程度なので、その中ではかなり異質に見える。

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セグロカモメ Larusvegae

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セグロカモメ Larus vegae

この個体を見て思い出したのはこちらのサイトで紹介されているリングつきのミツユビカモメ。リングから23歳以上の老鳥と考えられ、磨耗の多い羽も老鳥の特徴と一致するとのこと。このセグロカモメも磨耗が目立つだけでなく群れから離れて単独で岸壁に立っており、人か近づいても動きが鈍くなかなか逃げず、飛んでも羽ばたきがギクシャクした感じだった。こうした個体はそういえば昔から時々目にした記憶はあり、単純に体調不良なのかとも思っていたが、よく考えるとこうした個体も老鳥である可能性がかなりあるのかもしれない。

そしてさらにここから思い出されるのは2003年に観察されたカスピセグロカモメ。全て特徴はカスピセグロカモメなのに換羽が異常に遅いことが当時唯一引っかかっていた点。しかしこの換羽状態はセグロやタイミルにしても遅すぎるくらいに遅く、旧羽が抜けていない割に新羽が伸びているなど、明らかに通常の換羽の範疇ではない状態で、今回観察したセグロカモメとよく似た状態だった。というわけでこれも老齢?により換羽が不順になったカスピセグロカモメと考えると非常に納得がいくように思う。

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カスピセグロカモメ Larus cachinnans
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by Ujimichi | 2012-02-03 22:45 | カモメ


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