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2013年 01月 06日
80~90年代にもしインターネットがあってこのブログがあったら、私は多量の食パンをドサドサと池に投げ捨てるかのような過剰な餌やりブームに疑問を呈する文を間違いなく書いていたと思う。しかしながら今や逆に世の中は一斉に右へ倣えの餌やり禁止ブーム。エサやりによって「自然の営みが歪む」とか「減ってしまう動物もいる」などと綺麗事を並べた立看板のあるまさにその池畔に、一方でパンジーなどというあからさまな園芸植物をせっせと植えて他の植物を“雑草”として徹底排除している―といった歪さ滑稽さにうんざりしているのが正直なところ。例えば草を茂るままにしておけばバッタやコオロギが住み、都市部からは消えつつあるモズやホオジロ類が餌場として利用できるのでは?といったようなことはやはり一般にはなかなか想像しにくいのだろうか。

散々自然を壊し、散々餌付けし、壊した自然は元に戻さず、それでいて 「ゴメン、やっぱり餌付けは止めるから自然に還れ」と突き放すのが果たして本当に正義なのかどうか。というよりも、自然とか環境とか生態系とかいった便利な言葉は、実は単にエサやりに関連する苦情や面倒事を避けたいだけの管理主体に適当に利用されているケースが実際かなり多いような印象を強く受けている。そしてもちろん、そもそも昨今のエサやり規制の最大の火付け役が、2007年頃の「カモが太って飛べなくなる」などという例の事実無根の一斉無責任報道だったという経緯は、今後各地で餌やりをどう位置付けるにしろ、一つの事実として忘れてはならないと思う。

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キンクロハジロ
by Ujimichi | 2013-01-06 17:10 | 餌やり規制問題について


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