2013年 10月 13日
沖縄のオオジシギ?2013
久しぶりにRBWCの掲示板を見たら、沖縄で撮影されたオオジシギ?という画像が2個体分投稿されていたのでとりあえずこちらに感想を書いておきたい。

まず最初の幼鳥個体( No.3316とNo.3317)はチュウジで問題ないと思う。尾羽の白色部の量は、香港やオーストラリアで撮られたチュウジのバンディング画像の個体差の範囲内に問題なく収まっているし、尾羽全体の形状、最外側羽の形状・パターンもオオジよりチュウジにより相応しい。さらに9月10日前後という撮影日にしては体上面の換羽が進んでおらず、この点もかなりチュウジ的。真横の画像がなくそもそも条件が不十分だが、少なくともあえてオオジを推すような要素は見当たらない。

2個体目(No.3318)については確かに画像からオオジを明確に否定する要素は特に見られないが、しかし同時にチュウジを明確に否定する要素も読み取れない。確かにハリオかチュウジかで悩むような体型の個体ではないのでオオジかチュウジかを考えるのが常道と思うが、画像からは体型・色彩ともどちらとも言えるように見える。体後部(尾+尾筒)の長さが比較的オオジを思わせる要因だが、とはいえチュウジの個体差の範囲を逸脱しているとまでは言えず、胴の量感もさほどでもない印象。特に沖縄や海外のチュウジは淡色傾向で雨覆などの模様も細い個体が多く、また少なくとも関東の7-8月のオオジのように、その地域・時期における明らかな優先種を識別するようなケースとは状況が全く異なるので、このわずか一点の画像からオオジとの結論を出すのはさすがにかなり無理がある印象を受ける。

いずれにしてもこれまでネット上で沖縄のオオジシギ?とされた観察例については、なぜかほとんど各個体につきわずか1~2点の画像しか出てこないのが私には何とも不可解なところ。もちろん野外では諸条件により数カットしか撮影できないこともよくあるので、一度や二度なら無理もないと思うし、また現像代のかかるフィルムカメラの時代ならなおさらだが、デジタル全盛のこの時代に毎回のようにわずかな画像しか出てこない現状にはさすがにちょっと首を傾げてしまうところ。しかしこうしたフィールドでの時間のかけ方や画像の提示方法といった基本的な問題がもう少し改善された上でさらに観察例を蓄積していけば、いつかは客観性の高いオオジシギの画像が出てくる可能性はもちろんあるので、沖縄のオオジシギ?については今後も関心を持って注視していきたいと思う。

▼下の画像は左右とも関東で撮影した尾羽確認済みのチュウジシギ幼鳥。は印象がオオジシギに近い個体。はハリオシギに近い個体。同じ関東のチュウジ内ですらこれだけの幅がある(尾の突出量の差に注目!)。現場での長時間の観察や多数の画像からはどちらも問題なくチュウジシギと判断できたが、1~2点の限られた画像での判断はかなり注意を要するという好例。

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チュウジシギ 幼鳥 Gallinago megala
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by Ujimichi | 2013-10-13 17:16 | 沖縄のオオジシギ?


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