カテゴリ:モンゴルセグロカモメ( 52 )

2017年 12月 09日
「フィールド図鑑日本の野鳥」の“キアシセグロカモメ”について
「フィールド図鑑日本の野鳥」の話題の続き。この図鑑のカモメ類に関しては予想通り気になる点が多々あるが、中でも特に気になったキアシセグロカモメについて書いてみたい。なお準拠したリストや文献によって和名が違うので整理すると、亜種キアシセグロカモメ=mongolicus=モンゴルセグロカモメ 亜種カスピキアシセグロカモメ=cachinnans=カスピセグロカモメとなる。少々ややこしいのでこれ以下それぞれモンゴル・カスピで話を進める。

まずモンゴルの識別についてこの図鑑では、「足にピンクみのある個体が多く、わずかに黄色みがある程度」「成鳥冬羽の頭部は褐色斑があまりない」のほぼ2点しか書かれていない。嘴の黒斑、換羽時期、初列風切のパターンへの言及がないので、頭の斑の少ないタイミルセグロカモメなどをモンゴルと誤認する例が増える恐れがある。紙面が限られるのは解るが、もう少し良い方法はあったように思う。

そしてカスピについては一つ決定的な誤記があり、「外側初列風切裏側の白斑が大きい」と書きたかったと思われる箇所が、「外側尾羽の裏側の白斑が大きい」になっている。さらに問題なのはその前に「亜種キアシセグロカモメ(=モンゴル)とほぼ同じだが」と書かれていること。つまりこの図鑑に従うと、「モンゴルとほぼ同じで初列風切裏側の白斑が大きい」のがカスピということになってしまうが、実際は全く違う。

カスピの特徴として重要なのは、直線的で長い嘴、細長い足、長い首などが醸し出す、ハシボソカモメを連想させるようなかなり独特のjizzで、それと翼のパターン等を併せて総合的に判断して識別する必要がある。下の画像は上がカスピ、下がモンゴル。ストレートで長い嘴が醸し出すカスピの独特な印象に注意して頂きたい。

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しかしながら今回の図鑑では、こうしたjizzが解説文でもイラストでも表現されていない。海外に目を向ければ、当然ながらCollins Bird Guideなどではイラスト・解説共にこの特徴がしっかり表現されているので、ここにはやはり大きな隔たりを感じる。しかも、モンゴルの中には初列風切の白色部が多く、カスピに似たパターンの個体もいることが繁殖地の調査からも知られているので、今回の図鑑に従うと、そうしたモンゴルがカスピと安易に誤認されかねない。

カスピは繁殖地が日本から遠く、渡来はかなり稀なため慎重な判断が必要なだけに、この図鑑の不正確な記述が与える影響は気になるところだ。そしてこの件は決して「情報不足による間違いが十年後にわかる」といったケースではなく、むしろ十年前から広く知られている基本的な特徴すら正しく反映されなかったために、識別を後退させてしまう格好になっていることが、長年カモメの野外識別に取り組んできた一人としては大変残念である。

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初列風切の白色部の多いモンゴルセグロカモメと思われる個体 2006年12月9日 中国・上海
「フィールド図鑑日本の野鳥」に従うとこのような個体は全てカスピと判断されてしまう可能性が高いが、嘴の長さや形状等のjizzからはカスピの可能性は低いと思われる。一方でモンゴルとしても翼のパターンは典型的ではないため、日本での観察であればセグロやタイミルの可能性も含めて慎重な検討が必要と思う。

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by Ujimichi | 2017-12-09 18:11 | モンゴルセグロカモメ

2013年 03月 05日
持ち直し?
今期の銚子は前代未聞のカモメの少なさ。前回行った時は今後どうなってしまうのだろうと暗鬱な気分になるほどだったが、幸いこのところ少しは持ち直している様子。今回は現地到着後、さして多くもない防波堤上の群をざっとチェックしたら、seichoudokuさんのブログに出ていたのと同じモンゴルセグロカモメがいきなり目に入った。見れたらいいなとは思っていたが、こうも簡単に出くわすとは思っていなかったのでちょっとびっくり。背の色も薄めでかなり綺麗な個体だった。

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モンゴルセグロカモメ

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モンゴルセグロカモメ
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by Ujimichi | 2013-03-05 00:47 | モンゴルセグロカモメ

2013年 02月 15日
モンゴルセグロカモメ
今日は珍しくテレビ関係のちょっとした仕事があった。それとは関係なく5日撮影のモンゴルセグロカモメからもう一枚。

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モンゴルセグロカモメ

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by Ujimichi | 2013-02-15 22:28 | モンゴルセグロカモメ

2013年 02月 11日
不発・・・
そろそろ皇居のカモメが増えていないかと偵察に行ってみたが残念ながら不発だった。ゼロからスタートして10羽前後まで増えても、さらに追加が来るころには最初の個体が出て行ってしまうといったパターンの繰り返しで結局夕方まで数は増えず。画像はそんな中で見られたモンゴルセグロカモメの可能性のある個体。初列風切の黒が6枚(=モンゴルなら少数派)なので悩むところだが、かといって特に個体差の範囲を逸脱する点はないように見えた。

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by Ujimichi | 2013-02-11 21:13 | モンゴルセグロカモメ

2013年 02月 06日
モンゴルセグロカモメ
昨日の銚子はとても2月とは思えないほどカモメが少なく、さすがに途中でめげそうになったが、それでもこの個体が見られたので行った甲斐はあったのかなというところ。そういえば2007年2月3日も、カモメが少ない割になぜか典型的なモンゴルが見られたのをふと思い出した。

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モンゴルセグロカモメ 

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モンゴルセグロカモメ 

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モンゴルセグロカモメ 
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by Ujimichi | 2013-02-06 05:58 | モンゴルセグロカモメ

2012年 01月 10日
○人的思考回路
一転全くどうでもいい話。テレビが点いているとやたらと某アイドルグループの名前ばかり聞こえてくる今日この頃。その度についついこちらの個体を思い出して仕方がない。(笑) 下の画像は今まで国内で見た中ではそれによく似た感じの個体。

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モンゴルセグロカモメ 2007年1月19日

ちなみに以前は「モンゴル800」というバンド名からついついモンゴルセグロカモメ800羽の大群を想像してしまい、まるで無関係なのは解っていても一々引っかかって仕方がなかった。(^^;
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by Ujimichi | 2012-01-10 23:42 | モンゴルセグロカモメ

2012年 01月 01日
AKEOME
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画像は12月20日撮影のモンゴルセグロカモメ。セグロと少しズレた特徴が多数寄り集まるだけで、これほど全体の印象が違って見えるのか、と改めて関心されられるいい個体だった。27日にも再会を期待したが見つからず。これから2~3月頃にどう変化するのか、できることなら継続観察してみたいところ。
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by Ujimichi | 2012-01-01 18:31 | モンゴルセグロカモメ

2011年 12月 14日
モンゴル参考画像
画像は何度も出している個体だが、2006年1月撮影のモンゴルセグロカモメ第1回冬羽。ところで最近中国で撮影されたモンゴルセグロカモメ幼羽の画像を多数見つけたので、参考に下にURLを貼っておく。もちろんこういった、その鳥の“本場”の画像を参考にする場合も、必ずしも常にその識別自体が合っているという保証はないので注意は必要だし、セグロカモメ主体の日本での識別はそれ以上に慎重さも必要になるが、とりあえず尾羽の帯の細さや腹部のパターン、“いくらか”カスピセグロカモメを想起させる体型の傾向などは概ね共通しているようで、いずれにしても大いに参考にはなると思う。

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モンゴルセグロカモメ Larus [vegae/cachinnans] mongolicus

http://blogtravel.fashion.ifeng.com/article/14128740.html
http://www.birdnet.cn/showtopic-289833.aspx
http://www.birdnet.cn/showtopic-292133.aspx
http://www.birdnet.cn/showtopic.aspx?topicid=291717
http://www.birdnet.cn/showtopic.aspx?forumid=70&forumpage=1&topicid=289281&go=next###
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by Ujimichi | 2011-12-14 23:02 | モンゴルセグロカモメ

2011年 11月 25日
9年前
9年前の画像からモンゴルセグロカモメ第1回冬羽。11月3日にして肩羽がほとんど換羽してしまっている。タイムマシンがあったら今の機材を持ってこの日この場所へ撮り直しに行きたい。(^^;

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モンゴルセグロカモメ Larus (vagae/cachinnans) mongolicus 第1回冬羽 (中央)
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by Ujimichi | 2011-11-25 23:04 | モンゴルセグロカモメ

2011年 11月 20日
曇り空
15日のモンゴルセグロカモメより1点。カキッとした翼の長いシルエットがなかなかカッコよかった。まあセグロとの差は言ってみれば僅かなものだが、そのちょっとの差がカモメ屋にはたまらない。(笑)

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モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus

ところで野鳥写真を撮る人の中には、あくまでも水や空は青く、葉っぱは緑でないと嫌だという感じの人が結構いるようで、まあそうした個人が持つ拘り自体は別に構わないけれど、少なくとも私にはその感覚はイマイチよくわからない。もちろん抜けるような青空もそれはそれでいいが、カモメにはこんな曇り空が実によく似合う。寒風に吹かれて鼻水をすすりながらあんな種やこんな個体に熱くなった数々の記憶がより鮮明に蘇る気がするからだ。

ちなみに昨冬は私事で色々ありすぎて更新していなかったので気付いていない人もいるかもしれないが、今期のカモメの詳細は「最新・カモメ情報」にぼちぼちUPしている。本家サイトから見られるが、これもインラインフレームにしているせいかGoogle Chromeだと上手く更新されないことがあるみたいなので、フレーム内を右クリック→「フレームを再読み込み」で更新される。多分サイトの作り方自体が古くてしかもかなりテキトーなのでこういうことになるのだろうが、しかしちょっとこれ困りますなあ。
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by Ujimichi | 2011-11-20 21:59 | モンゴルセグロカモメ