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2009年 11月 26日
“鈴金”はいずこ
画像は工業地帯の河口部にいた80羽弱のキンクロハジロの群の一部。

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キンクロハジロ

キンクロハジロといえば、昔(80~90年代)は上野不忍池の動物園内の池全体が冗談抜きで真っ黒けに見えるほど沢山いたし、多摩川河口にもスズガモやホシハジロと共にそこそこ沢山いた。それが近年では東京近辺のどこへ行ってもたかだか200羽もいれば「ここは結構多いなあ」と感じるくらいに減ってしまった。減った減ったと嘆いていても仕方ないので、今年は小規模な渡来地でも小まめにあちこち覗いてみている。それと同時に数を数えられる時はなるべく数えてみているのだが、ところで今年ここまでのところ合計で何羽くらい見たのだろう?とふと思いついてさっき数字を拾って合計してみたら、「約1400羽」という数字が出た。もちろん同じ場所に複数回行ったりもしているし、数えなかった日もあるので全く正確な個体数ではないが、それにしても近年の数の少なさを思えばそこそこ頑張った方かなと思う。そしてよく考えると、これだけの数を見ている割にまだキンクロハジロ絡みの雑種を1羽も見ていないことに気づいた。80~90年代にはスズガモとの雑種を見る機会が時々あり、数十羽程度の小さな群れの中で見つかることもあったので、当時はそれほど珍しいものではないようなイメージを持っていたのだが。コスズガモとの比較という意味でも面白いので見つけたらデジタルで撮り直したいのだが、とりあえずこの冬の現時点では私の中ではコスズガモより稀な鳥という位置付けになってしまっている。

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キンクロハジロ
# by ujimichi | 2009-11-26 23:04 | カモ

2009年 11月 23日
American Wigeon
アメリカヒドリを見てきた。今回はデジスコだったので動きを追うだけで大変だったが、なにしろこの個体は観察条件がよいのがありがたい。

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アメリカヒドリ ♂

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アメリカヒドリ ♂

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アメリカヒドリ ♂

ところでこの左右の画像は一見すると嘴基部の黒帯の幅や濃さがかなり異なっているように見え、撮った状況を知らずに見れば別個体と見てしまう人もいるかもしれない。しかしもちろん実際にはどちらも今回の同じ個体。しかも僅か7秒ほどの間に続けて撮ったものだ。

左の画像のように光が強く反射している条件下では、黒い帯が灰色がかっているように見え、一見すると黒帯が微弱な印象に見えてしまうことがある。この部分はアメリカヒドリの場合識別点の一つなので注目されやすいだけのことであって、他の多くの鳥の嘴の黒色部についても同様の現象は普通に起こっている。真っ黒なカラスの嘴だって、光が当たれば一見白く見えることはちょっと思い起こせば誰にでも経験があることだろう。実際には、この個体の嘴基部の黒帯はアメリカヒドリの中でもむしろ十分太く明瞭な方といっていい。北米で撮られた画像の中にも、この個体より黒帯が明らかに狭く目立たないものもよく見られる。

余談だが、銚子・波崎でクロワカモメが最初に見つかった頃、「似たようなカモメが何個体もいてよくわからない」といった不可解な話が飛び交っていた原因の一つも、光線状態等による嘴の黒帯の見え方の変化にあった。しかも公園池のカモとは異なり、防波堤上のカモメの大群の中に1羽のクロワカモメが現れては飛び去り、また現れるということが繰り返されたため、現れるたびに撮影した画像から、嘴の黒帯が狭い・広い、形状が違って見える、といったことで一々別個体と見なしてしまうという混乱が実際にあったようだ。
# by ujimichi | 2009-11-23 23:31 | カモ

2009年 11月 22日
”マルガモ”Ⅱ
昨日撮影の神奈川県の公園の画像から(ウミウとは別の場所)。ここでは「一見カルガモ風個体」が5羽見られたが、それらはよく見れば明らかに怪しげな風貌で、いわゆる“マルガモ”の特徴を持っていた。しかし単にマガモとカルガモの中間という印象ではなく、体型などにアヒル的な印象が強い。うち1羽の羽色はカルガモにほぼそっくりだが、やはり体型などに他の個体と共通した印象があった。そしてやはりここでも大きなアオクビアヒルが1羽。純粋なカルガモと確信できる個体や、野生のマガモは観察できなかった。ここを訪れるのは2度目なので継続した観察はできていないが、以上の状況からはこれらの“マルガモ”タイプの個体はアオクビアヒルとカルガモの雑種、またはその子孫である可能性が高いと考えられる。

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アオクビアヒル(左上)と2羽の“マルガモ”
2羽とも一見カルガモに似るが、嘴爪が先端だけでなく上まで黒い。手前の個体の白っぽい下尾筒にも注目。

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“マルガモ”
奥の個体はマガモ♀に似た羽色だが、それよりやや暗色部が多め。嘴のパターンは縁まで黒いためカルガモに似るが、基部に黄色部がある。

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“マルガモ”
上の手前の個体と同一。一見カルガモに似るが、嘴先端の黄色部が大きく基部も黄色い、下尾筒が白っぽい、尾羽がより白い、などの点が異なる。



これまでも何度か書いたが、もし仮にこうした人為移入による交雑を問題ありと考えるとしても、「捨てアヒル問題」を「餌付け問題」にすり替えていては解決にならないだろう。「東京都内でカモの雑種が何十羽も見つかっている、餌付けが原因ではないか」という趣旨の新聞記事等が以前何度か出たが、この手の捨てられたり放し飼いにされた家禽が関わった雑種と、元々ごく近縁で交雑例の多いヒドリガモ×アメリカヒドリの雑種を勘定に入れ、さらに雑種ではないカモの単なる年齢や換羽状態による変化まで誤って雑種として数えてしまえば、あっという間に何十羽という数が雑種として記録されてしまっても全く不思議ではない。

ちなみにこの公園では大規模な餌付けは行われていないが、近隣住民らしき人が少量の餌を与える姿は数回見かけた。餌付いているもの、いないものを含め全体ではオナガガモ12羽、ヒドリガモ31羽、オカヨシガモ2羽、キンクロハジロ122羽、ホシハジロ103羽をカウントしたが、“マルガモ”以外の雑種は、ヒドリガモの中にアメリカヒドリとの交雑と思われる、頭部に緑色光沢のある個体を1羽確認したのみだった。東京近辺の各地の公園等で見ていると、雑種については程度の差はあれどこも概ね似たような状況であり、以前新聞に書かれたような、「餌付けのせいで様々な組み合わせの雑種が生まれている」などと言えるような状況は見たことがない。またいわゆる“マルガモ”についてはここのような状況の場所も確かにあるが、もちろん普通のカルガモや野生のマガモがそれぞれ群で沢山見られる場所も多い。どこでも同じように“マルガモ”だらけになっているわけでは決してないので、この点も少し落ち着いて見極める必要があるだろう。

関連記事 
“マルガモ”
それ本当に雑種ですか? 
# by ujimichi | 2009-11-22 21:55 | 餌やり規制問題について

2009年 11月 21日
昼寝のち海鵜
アメリカコガモも寝っぱなし。他のカモも遠かったり逆光だったりで今ひとつ。小春日和も手伝って強烈に眠気を催してきたので、この際ちょっと昼寝をすることに。しばらく横になってウトウトしたあと、寝ぼけ眼でスコープを覗いたら思いがけずカワウの群中にウミウ発見。見つけたからといってとりたてて他人に喜ばれることもあまりない地味な鳥だが、似ているようで似ていない、難しいようで難しくないこの感じがやっぱりなかなか面白い。

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ウミウ(手前)とカワウ

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ウミウ(手前)とカワウ
# by ujimichi | 2009-11-21 22:22

2009年 11月 19日
遠すぎる
12日のコスズの場所へちょっと寄ってみたが、今回はかなり群が沖へ離れていてさすがに無理だった。これでもある程度形がわかる角度で視野に入れば目に留まるとは思うのだが・・・。後2枚はついでにその近くで撮れた猛禽と哺乳類を。

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スズガモ

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ハイタカ

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ドブネズミ
# by ujimichi | 2009-11-19 12:29 | カモ